東南アジア各国で加速するアメリカ離れとEU志向
画像は合意を喜ぶインドネシアのプラボウォ大統領とフォン・デア・ライエン欧州委員長(EU)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025071400133&g=int
EU・インドネシア、貿易協定締結で合意 米関税が交渉加速
時事通信 外経部2025年07月14日
【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)とインドネシアは13日、自由貿易推進に向け、包括的経済連携協定(CEPA)を締結することで政治合意に達した。
トランプ米政権の高関税政策が経済に与える影響への懸念が高まる中、貿易多角化の必要性で双方の思惑が一致。2016年から続いていた交渉を一気にまとめ上げた。
EUのフォンデアライエン欧州委員長とインドネシアのプラボウォ大統領が同日、ブリュッセルで会談し合意した。9月の正式合意を目指し、引き続き実務レベルで詳細を詰める。(転載ここまで)
インドネシアは将来EUと包括的経済連携協定(CEPA)を結ぶ方向で約10年前、2016年から双方はのんびり頑張ってきましたが「トランプと言う稀代のトリックスター」が
世界を引っ掻き回し始めた為に、それがインドネシア、EU双方の背中をおして一気に「政治合意(首脳会談での合意)」が成立してしまったのです。
後は作業を事務方(インドネシア、EU双方の行政官僚)に投げて、9月の正式合意に向けて突貫工事が進み、最後には数百ページに及ぶ具体的かつ詳細な合意文書(条約)が作成されるでしょう。
人口が軽く2億人を超えて、年々凄まじい勢いで経済成長を続けるインドネシアは東南アジアの経済大国です。
同様の動きはタイにも見られるので、今回、トランプからいきなり「法外な関税」を吹っ掛けられたASEAN諸国は雪崩を打って、新しく自由な市場として、各々、EUとのFTA(2国間自由貿易協定)の締結を外交ルートで進めるか、ASEAN諸国全体としてEUとの「自由貿易圏」の形成に雪崩を打って進むでしょう。
進む「アメリカ逆包囲網」とアメリカの孤立化
画像は今年6月、インドで260人の死者を出す墜落事故を起こしたボーイング社の大型旅客機
ボーイング社の大型旅客機は毎年、世界中のいたるところで驚くほどコンスタントに墜落事故を起こしておりたとえトランプに押し付けられても購入は御免被りたいものだ

インドネシアは9月にEUとの包括的経済連携協定(CEPA)が発効したら、今回のアメリカとの関税交渉はキャンセルする可能性があります。
自国の製品に19%もの関税をかける国より、関税が限りなく低いEUに輸出した方が、お互い経済成長できるウィン・ウィンの関係です。
更に航空機を購入するなら、大事故が頻発するアメリカのボーイング社からわざわざ買わなくてもフランスのエアバスから購入した方が、高価な買い物ですから安心です。
日本にとってもASEAN諸国にとっても自国の工業製品や農水産品を「トランプ再選」以前と同額輸入してくれる国やEUの様な巨大経済圏があれば何もアメリカに拘る必要はないわけです。
更に4月にアメリカで起こった「トリプル安(株安、債券安、ドル安)」が今後何度も起きれば、米ドルは基軸通貨の地位から滑り落ちて、「ドルのペソ化」が実現し
アメリカ国民は外国から買いたいものがあってもドルでは買えない、輸入できない「貧困国の貧困国民」になるのはそれほど遠い将来ではないでしょう。
トランプはなぜ日本に毎日悪態をつき第三国とのフェイク合意を繰り返すのか?

同盟国でかつアメリカにとって世界最大の債権国の日本との交渉が未だ見通しすら立たない事が国内の反トランプの主要メディアから追及されると困るから
日本に露骨な圧力をかけ続けているのです。
しかも「先行合意」したと「大本営発表」したイギリス、ベトナム、インドネシアは中身が伴わないものだからトランプは格好がつかないのです。
トランプ、ベトナムとのフェイク合意に嘘の上塗り

トランプ「協定の詳細を公表することはできるが、その必要はない」
貿易協定の詳細を公表するのかとの質問に「公表するかもしれない。詳細をどれだけ公表するかは重要ではない。極めて上手くいっている。と答えた」まぢかよ~