ユネスコ世界遺産登録は政策ではない。利権である
昨年9月29日の自民党総裁選で岸田文雄氏が勝利し岸田政権は早くも百日を経過しようとしている。
菅前政権は事実上の「百日天下」でほぼ事実上の「レームダック化」した。
ところが岸田内閣の支持率は2月15日現在で先月と変わらず49%(朝日新聞調査)と堅調だ。
安倍・菅政権と比較してやれ「決断が遅い」とか「先送りする」などと毎日熱心に批判する「特定の集団」があるが本来「議会制民主主義」とは「効率」を重視せず「意思決定に時間をかける」ところに重要な意義がある。
「時間をかける」ことによって国民の納得する「コンセンサス」が形成されるからだ。
岸田政権の支持率が下がらないのは、2001年以来の「悪夢の小泉政権」に始まり、安倍・菅政権の9年間の「官邸主導」と言う名の下の「全体主義的強権政治」にうんざりした国民が岸田総理の「人柄」通りの政権運営に「大きな安心感」を得ていることにあるだろう。
岸田総理の「安定の政権運営」に焦りの色を隠さないのが自民党内最大派閥清和会を率いる安倍元総理だ。
先日政界を紛糾させた「佐渡金山」のユネスコ登録申請も前政権からの「引継ぎ事項」だった。
9年に及ぶ安倍・菅政権のネオリベ(新自由主義)政策とアベノミクスの「大失政」で内政は目を覆う惨状となっている。
国交省の統計改竄問題で第二次安倍政権とアベノミクスは「再検証」と国民の「再審判」を免れなくなっている。
鉦や太鼓を打ち鳴らし「鳴り物入り」で囃し立てたインバウンド(観光立国政策)もその効果の「統計的成果」に国民の疑問の目が向けられている。
最終的に政府は、軍艦島に続き、世界産業遺産として佐渡金山の申請を決めた。
当初、見送る予定だったが、自民党内の保守派(実際はネトウヨ)と最大派閥の安倍派の圧力で申請をせざるをえなかったのだった。
案の定、韓国が炎上し、ネトウヨと安倍氏は「日韓歴史戦を戦う」と気勢をあげたが・・・
そもそも、なぜ、炎上する案件ばかり差が出しては申請し登録するのか?
申請する対象の遺産をチョイスする団体「産業遺産会議」とは何か?
その構成員と構図を見れば、安倍一族と安倍トモの利権団体であるという結論しかでてこなかった。
それはいつもの、ネポティズム(縁故主義政治)と国家の私物化、中韓に利をもたらす政策、というアベノミクスの隠れたテーマに沿って作られた「仕組み」だった。