イタリアに極右政権誕生③EU懐疑派とはイギリスの場合
EU懐疑派への疑問
EUとは「ドイツ第四帝国」です。皇帝は引退したメルケル元首相。支える構造は「独仏枢軸」です。フランスがドイツの暴走に常にブレーキを掛けながらバランスを保っています。
★「ドイツ第四帝国」だという傍証は外国為替の専門家によると、共通通貨ユーロの罫線(チャート)を過去に遡ると「西ドイツマルク」の価格変動のチャートと連結できるそうです。
「EU懐疑派」の元祖は今年退陣に追い込まれたイギリスのボリス・ジョンソンです。
画像はジョンソン一家 アダムズファミリーみたいですね(笑)
英誌ディリー・テレグラフのブリュッセル駐在員のジョンソンは毎日のようにEUの悪口の記事を書いていました。
そこをサッチャーに気に入られたんですね。サッチャーのお稚児さん、ネオリベ(新自由主義)にしてポピュリスト(大衆迎合型劇場型政治家)です。
ブリュッセルの官僚達が全てを決めるのが面白くない
これがジョンソンの主張です。気持ちはわかります。中央銀行も最高裁も議会も全てEUに有りますから。ジョンソンの記事が英国民の心に刺さってブレクジットの原因となったのです。
ブレクジットは大失敗、UKの衰退、分裂は加速
イギリスはサッチャーの時に加盟しましたが多くの「貿易上の特権」を持っていました。
はずみで離脱が決まりましたがスコットランド、北アイルランドは残留派でした。
経済に対する長期的な影響の予想は専門家によって様々ですが私はプラスは無いと見ています。
(追記)9月7日に選出されたばかりのイギリスのリズ・トラス新首相は日本時間の10月19日に経済政策と「ポンド危機」により進退窮まって退陣に追い込まれました。
メローニ新首相はなぜEU懐疑派か?
巷間こう言われていますが何故EU懐疑派なのかよくわかりません。懐疑派の代表格だったイギリスは途中から加盟した時に既に保守党と労働党の内部が推進派と懐疑派に二分されその状態は離脱まで続きました。
懐疑派の本音はEUと言う「超国家」と「主権国家」の矛盾と対立です。
イタリアは独仏と共にEEC(経済共同体)以来の創設メンバーなので理解に苦しみます。ただ「イタリアの同胞」は2018年の得票率が4%で今回22%なので4年間で5倍以上も支持を伸ばしています。
「移民問題」も言っていますがそれは独仏も一緒なのです。
実はアメリカにとってEUはロシア以上に目障り
EU=ドイツ第四帝国でアメリカにとってかつての敵国です。下記の拙著でも述べた様にソ連崩壊以降はアメリカの主敵は日独2国でした。日本はいいようにやられました。
したたかなドイツ
1991年ソ連が崩壊すると「お人好し」の日本と違って2度の世界大戦でアメリカにやられたドイツは「ソ連の次はうちがやられる」と直感しEUに潜り込みました。
アメリカから日本同様「貿易黒字を減らせ」と圧力を加えられましたが「EUの域内貿易だから」と言って拒否しました。
記事トップの画像は退陣を表明するリズ・トラス首相(44日間の短期政権)