衰亡・没落の法則と命式
大正天皇は、漢詩を巧みに詠み、気軽に市井のソバ屋に入るなど気さくなお人柄でした。
厳格な明治天皇が崩御し、文化的で気さくなお人柄の大正天皇が即位して、時代が大正となったとたんに、日本社会の風潮がゆるみ、自由な風潮が国に満ちました。
天皇の気質に連動してか、大正デモクラシーがおこり、大正ロマンといわれる時代が到来します。
しかし、大正天皇がご病気になり、天皇としての役割と実権が皇太子裕仁親王へ移譲がすすみ、大正のゆるやかな空気も変わってきます。
大正天皇崩御後、裕仁皇太子が践祚し天皇となりましたが、昭和の前半は大日本帝国の拡張と崩壊、後半は経済大国日本の絶頂をむかえ、昭和天皇の崩御後にバブルは崩壊しました。
よくも悪くも、「世界征服」というキーワードが、昭和天皇の運命にあったと思われます。それに、日本の国運が連動していたようにみえます。
昭和天皇に関しては、植物学者、清貧、ユーモラス、慈悲深い、という印象が広まっていますが、それらが天皇のパーソナリティーの一部であったとしても、実像は決して草食系の天皇ではなかったはずです。
国の運気は、国の元首である、天皇、国王、あるいは大統領に連動しており、いわば、国の運は国家元首の命式に支配されていると見ていいのではないでしょうか。
実際、ローマ帝国、ロシア帝国、をはじめ、世に現れては衰亡し滅亡した国や帝国が数多くありました。
そうした、衰亡に向かう国や、滅亡にむかう国の国家元首たちの命式は、あまりよくありません。衰亡する国だから、そうした命式の王が位につくのか、あるいは、王の命式に王国が引きずられるのかはわかりませんが、多くは、生まれ持って決まっている、王の個人的な命運に連動している例が数多くあります。
王の命数をよめば、国の運命もわかるのではないでしょうか。
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不慮の事故や非業の死を遂げる人の命式のサイン
大きく分けて、以下の条件を充たしている人。
・印星(印綬または偏印)が3個以上ある人。
・食神または傷官が合わせて3個以上ある人。
については、3個が全て、印綬でも、偏印でも、構わないし、印綬と偏印が混ざって、3個以上でもこの条件は成立します。
この条件の成立する人は、私が命名しましたが、「印星殺(いんせいさつ)」を持つ人と呼ぶことにします。
「印星殺」は、私がライフワークの一つとして、生年月日が確定している、歴史上の人物(物故者)の命式を鑑定して多くの、サンプルを得ました。
他の分厚い専門書を出版されている大家の先生方も、①の条件に付いて、言及していますが、触れても2行程度です。実例を挙げている方もいません。
「印星殺」を持つ人は、3種類に分類できる
・著名人でかつ社会的成功者
・凶悪犯罪者
・凶悪犯罪の被害者
また、印星殺のある人は、普通の人がたどり着けない地位や、名声を得ますが、行運(巡ってくる運)が印星になると、今まで上手くいっていたことが、急に上手くいかなくなり、勢力が衰えたり、最悪非業の死を遂げるケースが多いです。
★要するに、大運、年運、月運、日運が印星になると、車の運転に例えると、自分の意思と関係なく
「何か見えない力」で、危険な方向にハンドルを切られるイメージです。
日本の近現代史に名を残した、凶悪犯罪者や死刑囚にも、「印星殺」が見られます。
逆に彼らの場合は、印星の行運が巡って来たときに、世間を騒がす、凶悪犯罪を起こして、死刑になり、人生アウトです。
被害者の方は、同じように、印星の行運が巡って来たときに、被害に遭います。
≪貴人星も暗禄も助けてくれない「印星殺」≫
貴人星には、天乙貴人、天徳貴人、月徳貴人とあります。
どの大先生の教科書でも、「天乙貴人は最高の貴人星で、あらゆる災厄を祓い、生涯を通じて刑罰を受けることは無い」と書いています。
しかし、私が見つけたサンプルでは、天乙貴人が2個有っても、むごたらしい殺され方をした人物がいますし、天乙貴人が有っても、実刑で刑務所に収監された人もいます。
印星殺は、人生のピンチを救ってくれる暗禄も効果は有りません。
恐ろしいものです。
私は、多くの大先生たちが嘘を書いているとは思いません。
天乙貴人の「オールマイティー説」は、四柱推命のもととなった、中国の古典にそのように書いてあるのでしょう。
従って、「権威のある古典」に沿って、お弟子さんに教えるなり、教科書を書いたりするときは、その通りにやるしかないのでしょう。
天乙貴人の「オールマイティー説」を否定したら、四柱推命と言う、占術、学問の体系が根底から崩れるからです。
★日本の人口の何%、日本以外の外国の人口の何%の人が、「印星殺」を持っているかは、皆目見当もつきません。
もしかして、気にすることも無い、非常に低い比率かもしれません。
しかし、日本史では、現在に至るまで、各界の著名人に占める、「印星殺」を持っている人が目立ちます。
★ちなみに、「天下取りリレー」をした3人、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人は印星殺を持っていません。
印星殺をもつある戦国大名は、壮年までに、数か国を領有しましたが、印星の大運に入った途端に、勢力が衰えて合戦に敗れて、領地を奪われ、息子の代に滅びた家もあります。
★唯一例外の、戦国武将は、薩摩の島津義弘公(維新公)で、印星殺を持ち、印星の大運の40代に、九州平定、朝鮮征伐、関が原と武名を挙げ、80過ぎて天寿を全うしました。徳川家康からも恐れられた勇将で、彼の場合は、四柱推命を超える、先祖の徳分や福分が有ったとしか、思えません。
一昨年、100歳を超える長寿で薨去された、三笠宮崇仁殿下ですが、あの方も印星殺を持っていました。
その為、戦後は「建国記念日」の復活に反対して、右翼団体に三笠宮邸に押しかけられたり、晩年まで持病の心臓の手術をされていました。
★要するに、「印星殺」は、印星の行運が巡ってくると、病気や災厄に遭いやすいわけで、故宮様も、傍目で見るほど平坦な人生ではなかったと思います。
≪食神か傷官のいずれか、若しくは合わせて3個を超える命式≫
食神と傷官の過多、略して「食傷過多」と私は読んでいます。3個と言う基準は、私が決めたもので、やや厳しめな基準です。
多くの先生は、「食神と傷官が「多い」命式」としか書いていません。しかし、ある宿命星が多い、「過多」と言うときは通常3個以上を意味するので、間違ってはいないと思います。
「食傷過多」の人も病気や、災厄に遭いやすいと言われ、災厄とは「事件に巻き込まれる」ことで、この場合は、「被害者」と「加害者」に分かれます。
例を挙げると、「被害者」は戦前の226事件で殺された、政府閣僚の殉難者に、「食傷過多」の人が多く、「加害者」は戦後、国家転覆を謀り、極左テロで多くの市民を巻き添えにしたり、内ゲバで仲間を粛清した日本赤軍のメンバーにも「食傷過多」のものが目立ちました。
★ただ、「食傷過多」は「印星殺」のように逃れられないものではなく、平凡な一市民なら、日々用心して生きることで、災厄を逃れられます。
それでは、具体例を見ていきましょう。
日本史、世界史とも、近代史から遡る形で、解説したいと思います。
先ずは、アメリカ帝国の衰退を招いたベトナム戦争をはじめたJFKとケネディ一族からみてみましょう。
JFKの個人的な負の運勢が、アメリカの衰亡と連動しているのがわかります。
次号へ続きます。