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それでは、ジョー・ケネディー・シニアの命式をみて見ましょう。
四柱推命鑑定 命式 ジョー・ケネディー・シニア
1888年9月6日生まれ(81歳没)
・・・上 中 下 宿命星 蔵干 十二運 吉凶星
年柱 戊 子 癸 偏印 傷官 食神 死 天徳貴人 駅馬
月柱 庚 申 庚 比肩 比肩 印綬 食神 建禄
日柱 庚 辰 戊 偏印 傷官 養 魁罡(かいごう) 華蓋
時柱 戊 寅 甲 偏印 偏財 偏印 絶 駅馬 孤辰
①【申酉空亡】月柱に申が有るが、時柱の寅と冲「ちゅう」を形成するので、解空(空亡が無くなる)される。
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【総合鑑定】①非常に強い命式であるが、印星殺と食傷過多が有る「ハイリスク」な命式。
①については
日柱が、庚辰―養―魁罡(かいごう)となっています。
庚辰―魁罡(かいごう)の人は、決断力に富み、激烈な性格で残忍なところが有ります。日本史、世界史ともに、著名人が多いです。
アクが強く、押しも強い性格です。
月柱の十二運に建禄が来ています。身旺の禄格(ろっかく)で、人生思い通りに成ります。
実際やりたい放題の人生でした。
日柱の天干が、9月生まれの庚(金属)です。金は秋生まれが最強ですから、月令を得ています。即ち最も旬な時期に生まれたという事です。
★命式全体の総合力は、最強の部類に属し、最後の野望が、大統領の座だったというのも納得できます。
天徳貴人が有ります。
駅馬が2個有ります。駅馬は命式が強い時はプラスに作用します。金儲けと野望の為に東奔西走の人生でした。
華蓋が有ります。芸術の星です。一時、金儲けのために、ハリウッドに進出し、映画作りをやりました。
それが、下手の横好きで、はまり込み、3作も制作しましたが、ヒットしませんでした。
ついでに女優のグロリア・スワンソンとダブル不倫の仲に成りました。
妻のマリーロズとは9人の子供を生しましたが、その後は夫の女性関係に、目をつぶる人生だったようです。
孤辰が有るので、大家族の家長ながら、実は孤独な人生だったかもしれません。
≪印星殺の成立≫
偏印が4個、印綬が1個あります。堂々たる「印星殺」の成立です。
≪食傷過多の成立≫
傷官が2個、食神が2個有ります。これも堂々たる「食傷過多」の成立です。
病気や災厄に遭いやすいでしょう。
梟雄(悪くて強い英雄)ジョーケネディーにも、印星殺が忍び寄ってきます。
大運を見ると、71歳~81歳が、戊辰―偏印―養で、印星の大運が来ました。
途端に「魔」が襲ってきます。
ジョーは、73歳の時に、脳梗塞を発症し、失語症、右半身不随となりました。悲痛な晩年の始まりです。
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運命の日
脳梗塞となった1961年12月19日の行運を見てみましょう。
61年 辛丑己 劫財 印綬・・・羊刃
12月 庚子癸 比肩 傷官・・・血刃、白虎殺
19日 丙戌戊 偏官 偏印
印綬の年の偏印の日に発症しています。まさに、印星殺です。
12月は傷官、けじめをつけられる月でした。
年運に羊刃が来ています。
この「殺気の星」は人が、非業の死にせよ、病死にせよ死亡するときに現れます。私は「死神」だと解釈しています。
12月には、病気の星、血刃が巡ってきます。
白虎殺も病気の意味が有ります。
言葉と行動を失い、社会的に抹殺された、ジョーに追い打ちをかけるように、2年後に次男が暗殺されます。
・1963年、75歳の時に次男の大統領JFKが暗殺。
・1968年、80歳の時に、ほぼ大統領確実と言われた、三男のロバート・ケネディが、遊説中に暗殺。
・1969年7月18日に有名な「チャパケディック事件」で、4男のエドワードが、「大統領の芽」を永久に失いました。
失語症でも、聴力は有ったジョーは、新聞等で、最後の砦、4男の、「政治生命の喪失」を知ったでしょう。
自分の息子の代、二男のJFKに続く、大統領の夢を完全に失ったジョーは、気落ちしたかのように、4か月後の11月に息を引き取りました。
丁度、印星の大運(偏印)が終わる81歳でした。
亡くなった日の行運を見てみましょう。
・69年 己酉辛 印綬 劫財―空亡・・・羊刃3個
・11月 乙亥壬 正財 食神・・・・・・劫殺
・18日 丁酉辛 正官 劫財―空亡
1969年は印星の年(印綬)でした。
このように、印星殺を持つ人は、社会的生命を失うときや、死没する日に、印星が巡ってくる傾向が有ります。
かなりの、サンプルを確認しましたが、今のところ例外は1件だけでした。
しかも、空亡の年で、羊刃が3個も巡ってきます。死神さんの「お迎えに来たよ」と言うサインです。
ジョーは申酉空亡ですから、前年の1968年に三男のロバートが暗殺されています。父親の身代わりになったようなものです。
11月に劫殺が巡ってきます。行運に劫殺が、巡ってくるときは災難に遭うと言われます。
そして、命日の18日は、空亡の日でした。
一代の梟雄の人生が終わりました。私はこの人に恨みは有りませんが、個人的な見解では、「百才有って一誠無しの人」だったと思います。
手段を選ばず、大富豪になったので、次は大統領の座でも狙おうかと言う感じです。しかし、大統領になって、何をやりたかったのかさっぱり見えてきません。
そして、JFK以下、3人の息子に託した夢も、アメリカのためにという気合が見えてこず、ただ、「一族の栄華」を望んだとしか思えません。
フランクリン・ルーズベルト大統領が、ジョーを政府の要職に付けなかったのは慧眼だったと思います。
次号へ続きます。