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次は、一緒に殺害された弟の、ヌーの命式を見てみましょう。
四柱推命鑑定命式 ゴ・ディン・ヌー
1910年10月7日生まれ~1963年11月2日(53歳没)
・・・・・上 中 下 宿命星 蔵干 十二運 吉凶星
年柱 庚 戌 戊 正官 正財 墓 飛刃 暗禄 月徳貴人
月柱 乙 酉 辛 比肩 偏官 絶 隔角
日柱 乙 巳 丙 傷官 沐浴 金輿禄 亡神
時柱 庚 辰 戊 正官 正財 偏印 冠帯 羊刃 月徳貴人 魁罡(かいごう)
【寅卯空亡】
【総合鑑定】凶意をはらんだ命式、宿命通りに生きた結果の人生。
十二運を上から見ていきましょう。墓、絶、沐浴、冠帯、時柱に冠帯が来ていますが、総合的に身弱でしょう。
月令を見てみましょう。10月生まれの乙(植物)です。乙の旬は春です。従って月令を得ていません。
正官と偏官で官殺混合です。しかも、偏印が有ります。命式自体の凶意が強まります。
月徳貴人が2個、暗禄が有っても非業の死から逃れられませんでした。金輿禄が有るのは妻のマダム・ヌーが美人だったからでしょうか?
没年の53歳の大運を見てみましょう。
51歳~61歳 辛卯―偏官―建禄―空亡
何と大運空亡です。死亡日の行運を見てみましょう。
63年 癸卯乙 偏印 比肩―空亡・・・白虎殺
11月 壬戌戊 印綬 正財・・・・・・飛刃2個 羊刃
2日 己酉辛 偏財 偏官・・・・・・白虎殺 羊刃2個
1963年は癸卯で空亡の年です。
大運も空亡していますから、逃げられない年です。白虎殺が巡ってきます。
11月は、壬戌です。命式中の時柱に羊刃が有り、時柱の干支は辰です。辰と戌が冲「ちゅう」を形成します。
しかも、羊刃が巡ってきます。最凶です。飛刃が2個巡ってきます。命式と行運が冲「ちゅう」するときに、飛刃が巡ってくると、
外部から猛烈な打撃を受けます。しかも2個だから2倍です。
2日は、己酉ですから、大運の卯と卯酉の冲「ちゅう」を形成します。不吉です。また、命式月柱の酉と、酉―酉の害「がい」を形成します。
まさしく、事故に注意の火でした。羊刃2個と白虎殺が巡ってきます。まさに年貢の納め時の日でした。
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次はマダム・ヌーです。
四柱推命鑑定 命式 チャン・レ・スアン、陳麗春。
1924年4月15日生まれ~2011年4月24日(87歳没)
・・・上 中 下 宿命星 蔵干 十二運 吉凶星
年柱 甲 子 癸 比肩 印綬 偏印 沐浴
月柱 戊 辰 戊 偏財 偏財 印綬 衰 金輿禄
日柱 甲 子 癸 印綬 偏印 沐浴
時柱 乙 丑 己 劫財 正財 印綬 冠帯
【戌亥空亡】
【総合鑑定】印星殺の教科書のような命式。
夫のゴ一族も、フランス植民地時代の貴族の家柄でした。チャンも阮朝の皇帝と縁戚の上流階級の家柄でした。
貴族と言っても、フランス植民地下の話しであり、要はフランス植民地政府に媚びていた家柄です。
従って、戦後、ホーチミンが8月革命を起こした時、チャンの一族は、ベトミンに軟禁され、兄たちは銃殺されました。
その恨みが、彼女を反共主義者にさせ、夫、ヌーの強権による弾圧に拍車をかけさせました。
義兄のジェムが生涯独身だったため、事実上の南ベトナム(ベトナム国)のファーストレディとなりました。
吉凶星が金輿禄しかありません。夫の兄が大統領になったのだから、ある意味玉の輿だったのでしょう。
十二運を上から見ていきましょう。沐浴、衰、沐浴、冠帯で総合的に見て身弱です。
月令を見てみましょう。4月生まれの甲(大木)です。南ベトナムで、4月と言うと、日本の初夏並みの暑さでしょう。
杉の木は、水分不足に成ります。よって、月令は得ていません。
≪印星殺の成立≫
印綬が4個、偏印が2個で印星殺の成立です。
夫と義兄が殺害された日の行運を見てみましょう。
63年 癸卯乙 印綬 劫財・・・羊刃2個 血刃 白虎殺
11月 壬戌戊 偏印 偏財―空亡・・・血刃2個
2日 己酉辛 正財 正官・・・・・・血刃、白虎殺
自分だけが助かったにせよ、夫と義兄を殺された日に、よく、自分と娘二人だけが助かったものだと思います。
しかし、その娘達も、長女が22歳の時に1967年4月にフランスで、自動車事故死、次女も55歳でローマで交通事故死。
本当に交通事故だったのでしょうか?気になるところです。
さて、マダム・ヌーの死亡日の行運を見てみましょう。
ローマで87歳で死亡ですから、大運は、83歳~93歳 己未―正財―墓・・・己未の未と命式の時柱の丑が冲「ちゅう」を形成します。不吉です。
また、正財の大運ですから、命式の印綬(生命の源)を潰します。
2011年 辛卯乙 正官 劫財
4月 壬辰戊 偏印 偏財
24日 己酉辛 正財 正官
自然死のようなので深く突っ込みませんが、月運にお約束の偏印が来ています。
この、南ベトナムの初代大統領のジェムとよく似た立ち位置で、似たような事情で、殺害された人物に、馬賊上がりの軍閥だった張作霖がいます。
張は、日露戦争の時、日本側のスパイとして活躍し、その功績で関東軍から、満洲の利権を渡され、軍閥まで大きくなりました。
しかし、関東軍の傀儡政権に過ぎなかったのに、規模が大きくなると、日本や関東軍に反抗し始め、目障りな存在になったため、河本大作大佐により
乗車していた列車を爆破され、殺されました。
張作霖の命式を見てみましょう。