書籍化しました
続きです。
《イギリスにサッチャー、アメリカにレーガンが登場する前の世界経済》
1979年、イギリスの長い労働党政権が終わり、イギリス史上初の女性首相のマーガレット・サッチャーが登場します。
同年、アメリカでも、B級俳優で、俳優の労働組合出身のロナルド・レーガンが大統領選で勝利を勝ち取ります。
- サッチャーこそが、失業率を高めイギリス国民を「貧窮化」させ、国力を衰退させ、今回の国民投票によるブレクジットを招きました。
- レーガンこそが、イギリス同様、アメリカ国民に「貧窮化」と絶望的な「所得格差」を生み、トランプ大統領を登場させたのです。
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《第二次大戦後1945年から1970年代まで資本主義社会を覆ったインフレーション》
ちょっと経済学の話をしますが、わかりやすく説明しますのでついてきてください。
インフレーションとは・・・・Wikiより
経済学においてモノやサービスの全体の価格レベル、すなわち物価が、ある期間において持続的に上昇する経済現象である。日本語の略称はインフレ。反対に物価の持続的な下落をデフレーションという。
まぢで解説すると「インフレ論」という経済学の教科書、論文が何十冊もできてしますので、シンプルに定義します。
★物価が、継続的に上昇していくということは、「物」=「消費財」に比べて、貨幣価値が持続して下落していくということです。
デフレーション=デフレはその真逆です。
「消費財」の「財(ざい)」とは・・・・Wikiより
https://web.archive.org/web/20190613105124/https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A1
経済学において物質的・精神的に何らかの効用を持っているもののことである。財貨とも。狭義には有形財を指して財と呼ぶ場合がある。そのような場合、対比して無形財をサービスと呼ぶ。
私は大学では「財」と教わりましたが、Wikiに書いているように財貨といった方が、「経済学」に触れたことが無い方には、イメージがわきやすいと思います。
消費財ときいてもピンとこない人が多いと思いますが、こういうとイメージがわきやすいと思います。
★耐久消費財・・・・冷蔵庫、洗濯機等々です。壊れにくい何年も使える家電製品をイメージしてください。
生産財・・・・旋盤などの製造装置、工場のロボットもそうです。
効用とは・・・・Wikiより
https://web.archive.org/web/20190507142746/https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%B9%E7%94%A8
経済学の基本的概念であり、各消費者がある財やサービスを消費することによって得ることができる主観的な満足・欲望充足(への貢献)の度合いのこと
★重要なことは飽くまでも「主観的」ということです。
「限界効用は逓減する」という有名な法則があります。
「逓減」・・・経済学以外ではほとんど使用しない術語(テクニカルターム)ですが、端的に言って、読んで字のごとく、だんだん減っていくことです。
日本に経済学を導入した偉い経済学の先生が使用したので、お弟子さんたちが論文を書くときに使わざるを得ないのです。
「限界」云々は、一つ一つ「単位」を数量的に増やしていくことです。
では「限界効用は逓減する」とは具体的にどのような状況を言うのか。
例えば、真夏の暑い日の日中に、友人たちとゴルフのコースを回る。
終わった後、喉がカラカラに乾いた状態で、打ち上げに居酒屋に行く。
取り敢えず、生ビール中ジョッキで「かんぱ~い」
私みたいなビール党には堪らないですね(笑)
友人たちは料理に手を付けているのに、私だけは生ビールのお代わり。
一杯、二杯、三杯・・・・六杯(個人的には)ぐらいで、だんだんただ冷たい泡と液体を位に流し込んでいく感じで「満足度」が激減する。
こういう状態が経済学でいうところの、「限界効用は逓減する」という意味です。
生ビールでなくとも、女性なら、スィーツでも同じです。
★「物価」は、高校の私の時は「政治経済」、今は「現代社会」で教わる需要曲線と、供給曲線の交わるところで決まります。
《経済学には大きく2種類がある》
- ミクロ経済学(微視的)・・・・・モノやサービスの価格と生産量はどういうメカニズムで決まるのかを研究する分野。「価格理論」とも言います。
- マクロ経済学(巨視的)・・・・どういう経済政策を行ったら、国民の「厚生」や「福利」が改善するか研究する分野。「国民所得理論」とも言います。
《経済学という学問の究極の目的とは》
対象は、「一国内」でも「世界」でもどちらでもよいですが、ヒト、モノ、カネ、環境などの、諸々の「資源」をどういう比率で「配分」したら、「国民」または「人類」の主観的な「幸福度」がMAXになるかを研究するのが経済学です。
どうですか?
優しくて、平和的な学問でしょ。
昔から教わるのは、「クールヘッド(冷静な頭)」で考えて「ウォームハート(温かい心)」で実践せよ。ということです。
創価学会や、統一教会のような「犯罪性の高い朝鮮カルト宗教」より、経済学の知識を身に着けた方がよほど幸せになれますよ(笑)
経済学のイントロはこのくらいにして、インフレとはに戻りましょう。
・需要・・・わかりやすく言えば、注文の数
・供給・・・・・生産者から言えば、注文に応じてもいいよという数
需要曲線と供給曲線が交わったところで、需要者=お客さんは、「その価格なら、金払ってもいいよ」といいます。そこで、モノやサービスの値段=価格が決まります。
需要曲線と供給曲線
競争市場(自由な市場)では、需要と供給(じゅようときょうきゅう、が一致することにより市場価格と取引数量が決定される。
供給者=商店主が、その価格に納得したら、「わかりましたその値段なら〇個まで売ってもいいです」といいます。
小売業なら、店主は、倉庫に行って、在庫品を〇個、店頭に運んできます。
供給者が製造業(メーカー)なら、「生産量」が決まります。
そして、工場に、商品〇個の「生産命令」を出すでしょう。
「生産量不足」、「生産能力不足」によるインフレ(物価上昇)
★大東亜戦争末期の国内の「コメの価格」の上昇。
戦前、大日本帝国時代の「日本本土」の必要なコメの量は、多くを植民地で生産される「朝鮮米」と台湾産の「蓬莱米(ほうらいまい)」に依存していました。
そして、それらの「植民地米」は、朝鮮半島では農民の労賃の安さ、台湾では、亜熱帯(ハワイと同緯度)ゆえの生産性の高さ(反当たり収穫量が本土より多い)の為、価格が安かったのです。
しかし、敗戦が近づくと、米軍の潜水艦が猛威を振るい、朝鮮海峡と本土、台湾海峡と本土を行き来する民間船も容赦なく沈没させます。
その為、朝鮮半島や台湾から本土にコメが入ってこなくなりました。
出征した兵士は別にしても、本土に残った家族の人数は代わりません。
コメの消費量=需要量は変わりません。
それに対して、本土のコメ農家の生産量は、水田の面積が変わらないので増えません。
この場合は、戦争という特殊事情があったとはいえ、需要に対する「生産能力」が不足するので、コメの値段が上がるのです。
コメの値段が上がれば、料理屋の値段も上がらざるを得ません。
インフレの「基本的なパターン」の説明も含めて、
まだまだ続きます。