書籍化しました
そして、私の卒業後、1991年にソ連邦が崩壊すると、マルクス経済学の先生たちの居場所はなくなりました。
同じ共産主義国家だった中国共産党帝国も「改革開放路線」という事実上の「資本主義経済」に舵を切りました。
中国のGDP統計自体は、「数字の操作」がかなりありそうですが、日本の30年間のODA(政府開発援助)で毛沢東時代からは想像もつかないほど豊かになったのは事実です。
★あとは「土地の私有」を認めさえすれば、完全な資本主義経済になります。
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現在の中国は、政府が「土地の使用権」を売っているだけで、反抗するとすぐ取り上げられるのです。
ということで「マル経」の先生たちは、鄧小平以降の中国の経済発展を説明することもできなくなりました。
我が母校では、1970年代までは「マルクス主義経済学」の全盛時代でした。
経済学部の主流の教授も「マル経」ばかりです。
だから、慶応大学経済学部卒でNHK出身の池上彰という人は、自分の番組で特に「経済問題」については、時々、明らかな間違いを言っています。
何故なら、1973年卒業の彼は、「マル経」しか教わっていないから、21世紀の世界経済、日本経済についてチンプンカンプンなんです。
そしてNHK出身というのも、能力的に疑問符が付きます。
あの故井沢満に3度もチャンスを与えた「国営放送」ですから(爆)
さて、ケインズが経済学者として頭角を現してきたころ、第一次大戦後の「世界大恐慌」で、資本主義国特にイギリスは「失業者」で溢れかえっていました。
しかし、「ケインズ以前」の経済学では「失業の解消=完全雇用」の処方箋は誰も書けませんでした。
★そして「夜警国家論」さながら、政府は何もするな、余計なことするな(怒)という風潮ですから、「経済政策」「財政政策」というものは存在すらしませんでした。
《失業対策と完全雇用を阻んだ「セイの法則」》
セイの法則とは・・・・Wikiより
「非貨幣市場の総供給と総需要が常に一致する」という原則である[1]。フランスの経済学者ジャン=バティスト・セイによって発見され、「セイ法則」、「販路説」などとも呼ばれる[1]。「近代経済学の父」リカードが採用したことから、マルクス、ワルラス、ヒックスといった多くの経済学者によって継承されたが[2]、ケインズ『一般理論』(1937年)によって否定され、その問題点が広く認知されるようになった[3]。
概要
あらゆる経済活動は物々交換にすぎず、需要と供給が一致しないときは価格調整が行われ、仮に従来より供給が増えても価格が下がるので、ほとんどの場合需要が増え需要と供給は一致する。それゆえ、需要(あるいはその合計としての国の購買力・国富)を増やすには、供給を増やせばよいとする。
ジャン=バティスト・セイが著書『経済学概論』第1巻第15章「販路」に叙述したことからセイの販路法則と呼ばれることもある。単に「セイ法則」とも呼ぶ。セイの法則が主張する重要な点は、経済の後退は財・サービスへの需要不足や通貨の不足によるものではないとする点にある。
「非貨幣市場」は、頭が混乱するだけなので、無視してください。
ポイントは
「需要を増やすには、供給を増やせばよい」と
「経済の後退は財・サービスへの需要不足や通貨の不足によるものではない」
の2点です。
★経済の後退=不景気=失業者の増大は、「需要不足」ではない。といっているのです。
《セイは「労働市場」の改善の処方箋が書けなかった》
★失業者が待ちに溢れているということは、「労働市場」で、「求人数」と「求職者数」が、「ミスマッチ」になっている。求職者数=需要に求人数=供給が不足しているということです。
なのに、セイは、「価格」=給料は無限に下がっていくので、供給=求人数を増やせばいくらでも雇用できるといっているのです。
★「非正規でいいなら、雇ってやってもいいよ」と冷酷なことを言っている、現在の経団連や、トヨタ以下の大規模メーカー、陰で連中の糸を引く「売国奴部落民」の竹中平蔵や、創価朝鮮が経営する人材派遣業のパソナの南部靖之が言いそうなことですね(怒)
セイが説明できない「失業者」をケインズは「非自発的失業者」と定義しました。
続きます。