書籍化されました
《1997年の「アジア通貨危機」で一度、デフォルト(国家破綻)した前科の有る韓国》
欧米先進国の大手銀行が、韓国にたいして、強烈な「貸し渋り」をした理由は、韓国に上記の「前科」があったからです。
P14
「(2)アジア通貨・経済危機に伴う構造改革
1960年以降2度目のマイナス成長は1998年であった。(管理人注;1度目のマイナス成長は、前の記事でも書いた朴正煕大統領の暗殺直後です)
これは直接的には、1997年7月にタイで発生した通貨の下落が韓国に波及したものであったが、伏線はそれ以前からあった。当時、一部の財閥が投資の原資を他人資本に過度に依存して、事業多角化や事業規模拡大に走っていた。その結果、韓宝(ハンポウ;製鉄会社)グループをはじめ、財閥の倒産が相次ぎ、金融機関に多額の不良債権が発生した。このような状況の中、タイに次いで韓国にも不安を感じた欧米機関投資家の株式売却、韓国からの資金の引き上げが相次いだ。そのため、ウォンレートが急落、外貨準備高が急減し、対外流動性の逼迫に直面した。韓国は1997年12月に国際通貨基金(IMF)に緊急融資の要請を行わざるを得ない状況となり、結局、IMFの管理下で経済改革を行うことになった」
長い引用となりましたが、わかりやすく解説すると。
- 韓国は戦前の日本と同じように「財閥支配」の経済となっている。
- その財閥、例えば韓宝グループが、海外に大規模工場を建設するときに自己資金ではなくて、「他人資本(銀行からの借り入れ)」に大きく依存していた。
その結果、借金を返せなくなって倒産が相次いだ。
融資していた欧米の銀行には「回収不能資金(焦げ付き)」が発生します。
それを見た、欧米機関投資家(大手の生損保や年金機構)が、韓国がデフォルトする前に、サムスンやヒュンダイ(現代グループ)の株式を市場で売却します。
そして、株式の売却代金を国に引き上げるには、売却代金のウォンを、米ドル、ユーロ、ポンドに交換する必要があります。
その為、世界の金融センター、ロンドンのシティー、ニューヨーク、東京で、大量の、「ウォン売り」と「米ドル、ユーロ、ポンド買い」が殺到するのです。
その結果、「売りのターゲット」とされたウォンは急落します。
サムスンを代表として、家電製品(当時は)を製造・輸出するには、原材料や半製品(部品)の輸入が不可欠です。
★輸入の「決済=支払い」には「基軸通貨(米ドル、円、ユーロ)で行わなくてはなりません。
「ウォンで払います」なんて言うと、殴られますよ。
韓国の「法定通貨」のウォンの信用が無くなって、既に輸入した製品の支払いや、今後も不可欠な輸入品(原油など)の支払いに充てるためにIMF(国際通貨基金)の緊急融資(米ドル融資)を受けざるを得なかったのです。
★これは非常に惨めな状態で、会社で言えば、倒産して「破産管財人」の支配下にはいったのと同じです。