イタリアの悲劇
この原稿を執筆中に、残念なことにイタリアの死亡者数が3405人となって、中国本土の死亡者数を抜いてしまいました。
《「イタリアの悲劇」は何故起きたのか?》
中国、習近平の目論む「一帯一路構想」に乗ってしまったため。
一帯一路
一帯一路とは・・・・・Wikiより
2014年11月10日に中華人民共和国北京市で開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議で、習近平総書記が提唱した広域経済圏構想で、中国からユーラシア大陸を経由してヨーロッパにつながる陸路の「シルクロード経済ベルト」(一帯)と、中国沿岸部から東南アジア、南アジア、アラビア半島、アフリカ東岸を結ぶ海路の「21世紀海上シルクロード」(一路)の二つの地域で、インフラストラクチャー整備、貿易促進、資金の往来を促進する計画である[1][2]。
正式名称はシルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード
(略)
2017年5月北京で開催されたフォーラムにはG7は閣僚級などを出席させて首脳のほとんどは欠席し、出席したのはイタリアのパオロ・ジェンティローニ首相だけとなった[21]。
イタリアはギリシャなどとともにEU加盟国では一帯一路への協力に積極的な国の1つとされ、後にジュゼッペ・コンテ政権はG7で初めて一帯一路に関する覚書を中国と締結している[22]。
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アジアインフラ投資銀行(AIIB)
Wiki
国際開発金融機関の一つである。
中華人民共和国(中国)が2013年秋に提唱し、主導する形で発足した[1]。(略)
2015年12月25日に発足し[2][3]、2016年1月16日に開業式典を行った[1][4]。
57か国を創設メンバーとして発足し[1][5]、2017年3月23日に加盟国は70カ国・地域となってアジア開発銀行の67カ国・地域を超えた[6][7]。2019年7月時点で100カ国・地域が加盟している[8]。
一方で日本、アメリカ合衆国は2019年時点で参加を見送っている[9]。
創設時の資本金は1000億ドルである[10]。
日米中心の開発援助体制
①ADB(アジア開発銀行)・・・・本部はフィリピンのマニラで、総裁は日本の財務省高官のポスト。
➁IMF(国際通貨基金)
③世界銀行・・・・・IMF(国際通貨基金)とともに、アメリカ中心の西側諸国に対する「開発援助」と融資を行う。
上記、アジア開発銀行&世界銀行&IMFの「日米中心の開発援助体制」に対抗した中国習近平の「経済覇権構想」です。
中国AIIBは闇金レベル 金利は日米ADBの2倍
http://www.thutmosev.com/archives/35807035.html
中国だけが拒否権を持ち、総裁は中国だけが出すことが出来、中国政府の財務大臣が兼務する。
本部は北京に置き、理事会は各国代表12人で構成するが常駐せず、定期会議は開かない。
なおかつ会議はメールのみで行う予定で、代表が顔を揃えたり討論する事は無いという酷さだった。
議案の採決は中国が原案を提示し、電子メールでイエスかノーかを聞くそうです。
(略)
重要なのは金利の差で、ADBには日本とアメリカが入っているので、AIIBより1%低い金利で融資できる。
日本とアメリカの金利は1%を遥かに下回っているので、ADBはこれを原資に年利1%で貸付が可能です。
AIIBの方はそれより1%高金利と報道されているので、ADBの2倍の2%金利になります。
金利が2倍の銀行から金を借りるのは、返せる見込みの薄いハイリスク融資だけになるでしょう。
設立前からAIIBは、融資の焦げ付きが相次いで回収不能になるのではないかと推測されている。
「一帯一路構想」思想と理念
- シルクロード経済ベルト「一帯」
- 21世紀海上シルクロード「一路」
の二本立て
開発銀行は「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」という仕組みです。
★中国の本音は、「日米主導のADB(アジア開発銀行)」の融資の認可を得られない東南アジア諸国や、西アジア、中央アジア、中東諸国を加盟させて、通動くが「拒否権」をもつアジアインフラ投資銀行(AIIB)から融資をして、融資を受けた国を政治的にも経済的にも「中国の覇権の下」に置く。
即ち「中国の経済的な属国」とする。
★「人民元」を「国際通貨」として認めさせる「中国中心の世界金融支配」が根底に有りました。
国際通貨・・・・・Wiki
国際取引や為替取引に使用される通貨のこと。
国際決済通貨
管理通貨制度下にありながら十分な信用があり、額面価額通りの価値を広く認められ国際市場で、他国の通貨と容易に交換が可能な通貨のことをハードカレンシーや国際決済通貨(こくさいけっさいつうか)と呼ぶ。
金本位制の時代に、いつでもハード(硬い金属の意、つまり「金」)な正貨と交換可能な通貨というのが語源である。
ハードカレンシー以外の通貨はソフトカレンシーやローカルカレンシーと呼ばれる。
通貨が「ハードカレンシーであるための条件」として、以下の条件が挙げられる。
- 国際的に信用があること
- 発行国が多様な財を産出していること
- 国際的な銀行における取引が可能なこと
- あらゆる場所での換金が可能なこと
国際決済通貨の一覧
- 米ドル($)
- ユーロ(€)
- 日本円(¥)
- 英ポンド(£)
- スイス・フラン(₣)
明確な基準は存在しないため、どこまでをハードカレンシーに分類するかは、論者によって一定ではない。
一般に米ドル・ユーロ・日本円を指して「世界三大通貨」「G3通貨」と呼ぶ。
(日本円に代えて英ポンドを加える場合、また米ドル・ユーロで世界二大通貨と呼ぶ場合もある)
※転載以上
★中国の「人民元」は現時点では「国際通貨」として認められていません。
中国共産党帝国という「独裁政権」と「粉飾決算」と呼ばれる中国の国家財政が、西側先進国から信用されていないからです。
《西側の経済大国、世界GDP1位の米国と3位の日本の不参加によって、「信用」を得られなかった「一帯一路構想」とアジアインフラ投資銀行》
★しかし、意外なことに、西側でも「EU加盟国」の一部が参加を表明した。
2015年
3月12日 – イギリス外務省が、G7(先進7カ国)では初の参加を表明[22]。
3月16日 – フランス、ドイツ、イタリアの参加が報じられた[23]。
★2015年3月にイギリスが参加を表明しています。
デーヴィッド・キャメロンが首相の頃で、ジョージ・オズボーンという「親中派」の財務大臣がいたころです。
《中国の「一帯一路構想」の西の「終点」がイタリアだった》
習近平が2013年10月に、鳴り物入りで「一帯一路構想」を打ち出す前に、EUでは「ギリシャ危機」が起きて、結果的にギリシャの「国家破綻(デフォルト)」を認めて、EU内部の結束力のタガが緩んでいました。
それで、恥ずかしげもなく「一帯一路構想」=「中国の金」に飛びついたのがイタリアだったのです。
https://web.archive.org/web/20200320125647/https://www.yomiuri.co.jp/world/20200311-OYT1T50202/
イタリア、急速に深化した対中関係が裏目に?「感染拡大の要因」指摘の声
2020/03/12 07:40
読売新聞
北京=中川孝之】イタリアでの新型コロナウイルス感染拡大の要因として、近年結びつきが強まる中国との関係を指摘する声が上がっている。イタリアは中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に昨年参加し、民間レベルでも人の行き来が拡大しているためだ。
中国外務省によると、王毅(ワンイー)国務委員兼外相は10日にイタリアのディマイオ外相と電話会談し、マスクの提供や医療チームの派遣を申し出た。電話会談は2月28日にも行われ、王氏は「健康のシルクロード」を共に築きたいと語り、支援の意向を伝えていた。
ポイントは
➀ 昨年イタリアを訪れた中国人観光客は、前年比100万人増の600万人
➁ 1月末にイタリアで最初に感染が確認されたのは、湖北省武漢市から旅行に来た中国人の夫婦
③ イタリアでは中国系住民が増加しており、全土では約40万人に達する
④ 中国系住民の7割は、中国本土で感染が深刻な浙江省温州市の出身者
これでは、「新型肺炎コロナ」のパンデミック国家になるなといっても、土台無理な話です。
《感染者と死亡者を劇的に増加させたイタリアの国内事情》
イタリアが従来より抱えている深刻な「財政赤字」
その為「財政再建」と称して、医療福祉の支出を大幅に削減し、不採算の公立医療施設を閉鎖したりしていました。
その為に、いざ、「新型肺炎」のパンデミックが起きた時に「医療体制」の不備と「医療スタッフの人材不足」で対応が不可能でした。
少子高齢化の進展
少子高齢化が進み、1人の高齢者を2.9人で支える高齢社会に突入しており(2012年)、OECD各国では日本、ドイツの次に少子高齢化が進行しています
「イタリア独特の家族関係」も影響している。
イタリアは、若い世代の男女が、祖父母の家に頻繁に遊びに行く「密接な家族関係と習慣」があるので、若い世代の人たちが、多数の市民が集まる場所で感染して、高齢の祖父母に新型肺炎のウィルスを感染させているという見方も有ります。
イタリアでの「新型肺炎のパンデミック」が一日も早く「峠を越える」ことを祈ります。
まだまだ続きます。