書籍化されました。
何故、保守与党から、親中、親韓、北朝鮮系の総理が誕生するのか?
《「中選挙区制」から「小選挙区制」に代わって「派閥」の有り様が激変した》
【「中選挙区制」はとにかく「金」がかかった】
1960年代~1970年代に面白い話が有りました。
ちょうど、田中角栄と福田赳夫が「角福戦争」という「終わること無き金網デスマッチ」を展開していた時代です。
ある新人議員が、見聞を広めるために、2週間のアメリカの「外遊」に行きたくなりました。
しかし、その新人議員は、選挙で金を使い果たしてしまい、派閥にも属していないので、「外遊資金」は自民党の派閥の領袖(りょうしゅう;集団の頭や主だった人)に出してもらうしかありませんでした。
新人議員は最初に福田派の福田赳夫のところに行き「外遊資金」の百万円を無心しました。
すると福田はニコッと笑って
「君、50万円にまからんか?」と言ったそうです。
駄目だこりゃと思った彼は次に田中派の田中角栄のところにいくと、話しを聞いた角さんは、涙を流しながら
「君、これは少ないけど持って行ってくれ。私は小学校卒だから学がない。この金で、私の分まで勉強してきてくれ」と言って、やおら引き出しから紙封筒を渡して新人議員に渡しました。
お礼を言って、自民党幹事長室を退室した議員が中身を確認すると、なんと500万円は言っていたそうです。
その新人議員が、同期の新人議員に後に語ったことによると
「俺、やっぱり、自民党総裁選では、どうしても角さんに入れちゃうよな~」でした。
いずれにせよ、「中選挙区時代」は選挙を戦う自民党議員も、派閥の領袖も「膨大な政治資金」が必要だったのです。
中選挙区時代の派閥の領袖は、派閥の子分たちに、夏は「氷代」、冬は「モチ代」として、「政治活動費」を渡していました。
相場は最低500万円だったそうです。
逆に、この「季節手当」を子分に渡せない派閥の領袖は「甲斐性がない」と言って、子分たちは派閥から離脱して、ちゃんと「金を配れる領袖の派閥」に移っていきました。
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《「小選挙区比例代表制」の導入は「金のかからない選挙」と「共産党の排除」が目的》
本来の目的は「共産党の国会からの排除」でした。
そもそも共産党や公明党などの「少数政党」は、有権者数の多い「中選挙区」で初めて、議席を確保できます。
ですから、日本国中を「有権者数」で小さく区割りした「小選挙区」では、議席を獲得しにくくなります。
その「本来の目的」に加えて、1990年代前半の、自民党の主要派閥を襲った「リクルート事件」や「佐川急便事件」といった連続スキャンダルにまみれた自民党は「政治とカネの問題」を解決するためにも、「金のかからない選挙と政治」を目指して、小選挙区制導入を目指しました。
最初に旗を振ったのが、後に自民党を割って出た羽田孜や小沢一郎でした。
《「小選挙区比例代表制」という「選挙制度改革」と「政党交付金」の創設で楽になった自民党政治家は多かった》
森喜朗元総理がこう本音を述べています。
90年代の証言 森喜朗 自民党と政権交代 (90年代の証言)
五百旗頭 真 (著), 伊藤 元重 (著), 薬師寺 克行 (著)
P124
「私の石川県は中選挙区時代の選挙区は2つだった。金沢市を含む福井寄りの側と、金沢から東側の能登に分かれていた。それが3つの小選挙区になったから、私は金沢市が選挙区から外れた。それで金沢市に選挙運動に行かなくてすむわけですよ。面積は3分の2になり、有権者の数も半分以下になった。その意味でもの凄く助かる」
実に正直に告白していますね(笑)
政党交付金とは・・・・Wikipediaより
政党の活動を助成する目的で国庫から交付される資金。日本においては政党助成法に基づいて一定の要件を満たした政党に交付される。なお、政党が政党要件を満たさなくなっても政治団体として存続する場合には、政党であった期間に応じて特定交付金が交付される。政党助成金(せいとうじょせいきん)とも呼ばれる。
概説
日本において、企業・労働組合・団体などから政党・政治団体への政治献金を制限する代償として、1990年代の政治改革論議において浮上し、1994年に政党助成法を含む政治改革四法が成立し導入された。背景として「リクルート事件」のほか「中曽根税制改革」によって、財界の法人税・高額所得者所得税が20兆円前後減税となり、国民に対して消費税を新たに課税した他、派遣法の可決などがあり、「財界の企業団体献金は見返りを求めない、贈収賄ではない献金」という前提に、深い疑念が生じた事がある。
助成金の総額は、国民1人あたり年間250円で決められる額で、直近の国勢調査で判明した人口を元に計算される。例として、2007年の総額は2005年の国勢調査により、約319億4000万円であった。助成金の半分は1月1日を基準とし翌2日から起算し15日以内に、総務省に届け出た政党の所属議員数の割合に応じて配分され(議員数割)、もう半分は直近の国政選挙の得票率(衆議院議員総選挙と過去2回の参議院議員通常選挙)に応じて各政党に配分される(得票数割)。
一度に支給される訳では無く、4月・7月・10月・12月の年4回に分けて交付する。
《1989年(昭和63年)の「消費税」の導入は、法人税の大幅減税と高額所得者の所得税減税とセットになっており「金持ち優遇税制」のそしりを免れなかった》
法人税の「実効税率」が55%(法人税(国税)+法人住民税(地方税))→23%
高額所得者の最高累進税率が75%→45%
所得税の多さに一番文句を言った有名人は、タレントの黒柳徹子とパナソニックの創業者の故松下幸之助です。
ただ、昭和最後の年の昭和63年(1988年)当時は、今ほど金融機関(証券会社や銀行)の「本人確認」が煩くなかったので、金持ちたちは堂々と「仮名・借名口座」を開設して「所得隠し」をやっていました。
それ故、「消費税導入」は「金持ちと大企業の優遇税制」と言われても仕方が有りませんでした。
更に、今まで「派閥の領袖」が子分たちに配っていた「氷代」と「モチ代」も「政党交付金」として国民に負担させるのですから、
中卒の学歴詐称者の小池百合子のように「政党交付金」で不要な切手の大量購入などしては絶対に許せないのです(怒)