アベノミクスとは③オリガルヒ(新興財閥)

新刊のお知らせと、オリガルヒ(新興財閥)とは

アマゾンへ

 

オリガルヒとは

①ソ連崩壊後のロシアの悲劇(1991年~2000年)

主要参考文献:「ショックドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く(上)」

ナオミ・クライン(岩波書店)

■ソ連崩壊・・・1991年12月、ミハイル・ゴルバチョフソ連大統領辞任

1989年の米ソ冷戦終結後、ゴルバチョフは旧ソ連の「一党独裁型共産党支配」を止め、議会制民主主義による「社会民主主義型」の中道左派の国家建設を想定していました。そのモデルはスカンジナビアモデルと呼ばれた北欧型の「福祉国家」でした。

しかし、1991年8月の「8月クーデター」でゴルバチョフが失脚した後に実権を握ったボリス・エリツィンはウクライナ、ベラルーシ2国と示し合わせてソ連邦を解体してロシア連邦を創設して大統領に就任します。

写真はボリス・エリツィン(左)とビル・クリントン(右)

 

■「ロシアを民営化」しようとした、ビル・クリントンとジェフリー・サックスの策謀

ゴルバチョフが未だ健在のうちは、ロシアはソ連邦内のロシア共和国であり、エリツィンはロシア共和国の大統領でした。

エリツィンは、実現不可能な「急速な資本主義経済への移行」を望み、側近はネオリベ(新自由主義)経済学者で固めていました

丁度、小泉純一郎首相の周りに、ネオリベの兵隊達が群がり固めていたと同じ状況です。

しかし、1922年の建国以来、68年間も「国家統制計画経済体制」だった国が、数年で、西側先進国並みの資本主義経済体制に移行できるわけは有りません。それが「できる」と信じ込んだエリツィンと言う「大酒のみの大男」は「狂人」であるという点で、10年後の2001年に政権を握った日本の小泉純一郎と同じでした。

また側近の経済学者のエゴール・ガイダルらはネオリベ(新自由主義)の教祖のミルトン・フリードマンを尊敬してやまないという最悪のロシア版「竹中平蔵」でした。

写真は「ロシアの竹中平蔵」ことエゴール・ガイダル、「ロシア民営化と言うアメリカのミッション」に失敗して毒殺された(臨終の本人の言葉)(53歳没)

エリツィンがビル・クリントンに要請した「経済顧問団」のハーバート大学教授のジェフリー・サックスもまた、ネオリベ(新自由主義)であり、なお、発展途上国の開発経済に、このんで「惨事便乗型(惨事に便乗して市場原理主義を導入)ショック療法」を多用するという最悪の経済学者でした。

写真はジェフリー・サックス

日本の「小泉・竹中構造改革」で言えば、竹中平蔵の「総合振付師」であり、小泉政権の「人事に介入」し、当時の銀行の不良債権処理について「穏健路線」を取った柳澤伯夫金融担当大臣を更迭させ、竹中を就任させたグレン・ハバートの位置にあると言えるでしょう。役者やプロセスが驚くほど似ています。

写真は竹中平蔵の「総合振付師」グレン・ハバート大統領経済諮問委員会委員長

驚いたことに「小泉ー竹中構造改革」から10年以上経過したアベノミクスにも「労働市場改革(派遣労働者の生涯非正規化)」を干渉している(怒)

経済顧問として担当する国の「市場経済への移行」のプロセスにおいて、その国の国民をどんな「過酷な境遇」に陥らせても平気なサックスにとっては、エリツィン政権とその側近経済学者グループは、まさに「ネギを背負って飛んできた鴨」以外の何物でも有りませんでした。

1992年1月、首相を兼任したエリツィンは貿易・価格・通貨の自由化を命じます。自民党清和会政権(小泉、安倍)の「改革」に当たります。同時にマクロ経済安定化の経済政策を採用し、厳格な緊縮財政を行いました。財政均衡を実現するため、エリツィンは金融を引き締め、産業への補助金や福祉支出などを大幅に削減しました。

しかし、この急激な市場経済への移行は市民の貯蓄、資産に打撃を与え、ソ連時代の生活水準は破壊され、治安は日本の戦後直後の闇市の時代の様に悪化し、市場経済は物々交換のレベルまで後退しました。

同年6月に首相代行に指名したエゴール・ガイダルやアナトリー・チュバイスに経済政策のイニシアティヴを取らせ、国際通貨基金 (IMF) 等の国際機関の助言に従って「ショック療法」と呼ばれる急進的な経済改革で完全な資本主義の導入を図ります。

その結果、市場経済化への一環として行われた価格自由化と国債濫発は1992年に前年比2510パーセントものハイパーインフレーションを引き起こし、1992年の国内総生産 (GDP) は前年比マイナス14.5パーセントとなってしまいました。

1990年代を通じてロシアのGDPは50パーセント減少し、不平等と失業は激増し、収入は劇的に減少しました。こうなると、資本主義社会でも、社会主義でもない、原始の法も秩序もない社会に後退したのです。ロシアはネオリベの植民地になってしまいました。

 ★一部のエコノミストは、1990年代にロシアが経験した経済危機は1930年代にアメリカやドイツで起きた大恐慌に匹敵するとも評しました。

★1992年2月にアレクサンドル・ルツコイ副大統領もエリツィンの経済改革を「経済的ジェノサイド」と批判しました。

エリツィンの側近の経済学者たちと以前から強い個人的な人脈を持っていた政商達は、ロシアの価値ある国家資産をほぼすべて略奪し、「ショック療法以前」には百万長者すらいなかったロシアに「フォーブス誌」の億万長者に17人もランクインする億万長者が誕生します。ほんのわずかな少人数がロシアの私物化に成功したこと、その略奪した富の大きさがわかるというものです。

★それがオリガルヒ(新興財閥)です。

その後、プーチンが登場し、オリガルヒを脱税の罪で刑務所にぶちこみ、その財産を没収しました。ウィキリークスが暴露した情報の中に、「ヒラリーのメール」がありますが、その中で、ヒラリー・クリントンは、「もうすぐでロシアが手に入ったのに」と悔しがっています。

南米、ロシア、アジア、韓国、と、ほぼ10年ごとに、国に寄生しては、水道、道路、銀行、年金、などの国や民族の資産を略奪しながら移動する、金融匪賊のような人々、それがネオリベであり、ロシア版が「オリガルヒ」と言えるでしょう。

日本で言えば、「政商」オリックスの宮内義彦、パソナの南部靖之、また「小泉・竹中構造改革」後、多くの利害関係のある大企業の取締役を歴任した竹中平蔵、川本裕子、太田弘子がそれにあたります。彼らは、アメリカのネオリベの尖兵となり、ロシアと同じことをしようとしてたのです。

写真は川本裕子

★「日本のオリガルヒ」です。

今回は、それを語ってみようと思います。

伏見顕正

 

(追記)免責事項

トヨタ自動車の「1億円超の報酬を受け取る役員の年収」について

有価証券報告書に記載されている「月額報酬」が所謂「役員の月給」に相当するもだということは知人のトヨタの株主に「IR関係室(インベスター・リレーション;投資家担当)部署」に代わりに確認してもらいましたが、「月給X12」=年収で試算した私の額より、担当者は何故か「少な目」に回答してきたそうです。

知人は公認会計士でも監査法人でもないので「質問権」は有りません。

また、有価証券報告書の該当箇所はトヨタ自動車と監査契約している監査法人はチェックする義務の無い箇所です(注;監査法人は「経理の状況」しか見る義務は有りません)ので、「検証不可能」です。従って私は「少な目に回答してきた」可能性があると見て、自分の試算通りに「役員報酬の年収総額」を記載しました。

更に詳細にお知りになりたい方は御自分が株主であれば直接トヨタに御確認下さい。

いずれにせよ、真面目に「賃上げ」すらしないグローバル企業にしては「役員報酬が強欲すぎる」と言う私の印象に変わりは有りません。

従って御購入される方は、その点「自己責任」で御購入下さるよう御願い申し上げます。

以上

 

アマゾンへ

 

好評発売中


 


ネット界の仁義なき戦い

無限拡散|ネット犯罪|真島久美子の恐喝事件

ブロガー必見!ブログはこうして乗っ取られる!!狂信的フィギュアスケートファンは、女性天皇派、保守潰しカルト工作員だった!東アジア反日武装戦線の残党か??

無限拡散|ネットの闇|井沢満、BB覚醒日記、トド子、ふぶきの部屋、バランス工房の正体

創価学会、オウム真理教、阿含宗、疑惑の宗教歴。「同窓会」「君の名は」の脚本家は背中乗り中国工作員か?