東京を国際金融センターにするのは「亡国の道」
日本が国際金融センターに成れない理由
①法人税率が高い
②国民が金融機関を歓迎しない
の2点です。
日本と香港の法人税率の差は約14%、香港を抜こうとすれば法人税率を最低15%は下げなくてはなりません。
そうすると税収が減るので財務省は歳入不足を補う為に所得税増税ではなく消費税率を最低15%引き上げて最終的には25%まで引き上げるのは火を見るより明らかです。
消費税は「逆進性」が強いのでいきなり15%も税率を引き上げられたらこのインフレ昂進中の現在、高齢者や低所得層は
ただでさえ少ない収入が激減して毎日の食事すら満足に摂れなくなるでしょう。
更に国の借金(国債発行残高)がGDPの200%(2倍)有るので「プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化達成」の為には社会保障の全廃も視野に入れざるを得なくなります。
これでは富裕層以外の国民の90%に「自決せよ」と迫っているに等しい暴挙です。
プライマリーバランス黒字化と言う世紀の愚策
画像は「亡国の道」を開いた小泉政権2001年6月26日の閣議
小泉純一郎総理と竹中平蔵経済財政担当大臣
「プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化達成」とは2001年6月26日の閣議で決定されたもので、俗に「骨太の方針2001」と呼ばれます。
時の総理は小泉純一郎、2001年4月26日の内閣発足ですから政権発足後ちょうど2か月目の初閣議でした。
「プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化」を方程式で表現すると、プライマリー・バランス額 =(税収+税外収入)ー 政策的経費 > 0
ですから変形すると(税収+税外収入)> 政策的経費となります。
税外収入(国有財産売却収入や政府記念硬貨発行など)が税収に比較して無視できるほど小さいので、税外収入をゼロと単純化すると最終的に、
税収 > 政策的経費となり、「国家の国民に対する行政サービスは税収の範囲内で行いなさい」と言う国民にとっての需要不足の「デフレ政策(緊縮財政)」そのものになります。
この間違った政策を閣議で主導して決定まで持ち込んだのが当時、経済財政担当大臣だった「アメリカの対日破壊工作員」の竹中平蔵なのです。
小泉純一郎はこの時に2010年までにプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を達成すると宣言しましたが、所詮、経済学の基礎から無知な、小泉&竹中コンビは
自分達の頭の中で「プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化達成=国債発行ゼロの財政再建」と勝手に脳内変換してしまったのです。
頭が空っぽの小泉純一郎が、「アメリカの国益最優先」の竹中平蔵にひきづられた結果とは言え、われわれ日本国民はこの事実を忘れてはなりません。
厄介なことに私が耳にするのも嫌な「骨太の方針」と言う名称も、「プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化達成目標」未だ生きており現在は2027年が目標年度となっています。
「小泉ー竹中構造改革」とアベノミクスの2連弾で、全労働者に占める非正規・派遣労働者の比率が40%を超えて格差の拡大が最悪となり、「国民の総貧困化」が進みました。
その一方、大企業に対する法人税率を三度にもわたっても引き下げ、その税収不足を補う為に二度にわたって引き上げた消費税率10%が世界のパラダイムシフトによる、グローバリズムの終焉とデフレからインフレへの世界観の急変の直撃を直接受けてしまいました。
そして1991年のソ連崩壊以来、32年ぶりの世界を「反露と親露に二分する」ウクライナ戦争で世界中で「悪性インフレ」が昂進しています。
その為、消費税率を10%に据え置いても、アベノミクスの副作用の円安による輸入インフレで、生活必需品とエネルギーの「本体価格」が値上げして「消費税の自然増収」が起きて
庶民と低所得層の生活を圧迫しています。
この様な状況下で、「プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化目標」の達成など不可能だし、経済学的にも国民経済上でも無意味な概念に他なりません。