アメリカ内戦勃発の可能性⑥  帝国の宿命

現在のアメリカはゲルマン民族の大移動に苦しめられるローマ帝国末期

 

最高潮に達した帝国の宿命と末期状況

「帝国の宿命」とは帝国解体後も「被支配民族」が職と住居を求めて独立国家から「逆流」してくることです。

例えばイギリスは第二次大戦までは「七つの海を支配する大英帝国」でしたが戦後は「なばかり戦勝国」で植民地はみな独立して、ブリテン島と北アイルランドだけのUK(連合王国)になってしまいました。

ロンドンの人種別構成を見ても

https://note.com/sterada/n/n184f730119fd

ロンドンのスーパー・ダイバーシティ S. Terada 2020年4月30日

白人は60%いても純粋なイギリス人は45%だけです。

 

https://www.news-digest.co.uk/news/features/966-india-in-uk.html

10 August 2006 vol.1057  英国にいながらインドを知る

予想通り、「女王の王冠の宝石」と言われたインド及びインド亜大陸の出身者が多いです。

インドは独立当初、数年間は治安が悪化して荒れたのでそれを嫌って旧宗主国のイギリスに渡った人も多かったそうです。

この様に帝国の構成員で「被統治の異民族」が独立後も逆流する様に移民してくることを私は「帝国の宿命」と呼んでいます。

 

日本も大日本帝国時代の被統治民族を中心に多く在留している

https://www.jaog.or.jp/note/3%E5%9C%A8%E7%95%99%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

中国は旧大日本帝国とは違うんじゃないの?と言う人もいると思いますが在日中国人約75万人のうちの三分の一以上の約35%は現在の「東北三省(遼寧省、黒竜江省、吉林省)」

ですから傀儡国家と言われた旧満州帝国(1932年~1945年まで13年間)にぴったり収まる地域です。

https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/87868/1/13_rjgshhs_22_p169-186_l.pdf

 

日中戦争開戦から終戦までの7年間、汪兆銘政権で日本が占領統治した地域

最大領域が薄紫色のエリアまでです。

文明史家の黄文雄は著書で日本軍が占領統治すると

①匪賊がいなくなり治安が良くなる

②農民や商人が適正な価格で商取引できるようになる

③疫病が無くなる

と述べていますから、傀儡と言われた汪兆銘政権下の南京政府で日本軍が実効支配した7年間も実際の占領行政は当時の中国人に概ね好評だったのではないかと思います。

 

逆に水色で囲んだ地域は日本軍が実行統治していなかった土地なので在留中国人比率は低いですが四川省など実数で言うと結構多いです。

在日ブラジル人は殆どが戦前にブラジルに移民した日系ブラジル人の三世です。

その他、ネパールとアメリカを除けば、韓国、台湾は旧大日本帝国の「外地」であり、他の東南アジア諸国は大東亜戦争中に4年間日本軍が占領統治したかタイの様に同盟した国です。

その他の14%の中には、ミャンマー、2万5178人、マレーシア 1万6768人、カンボジア 1万1916人、シンガポール 8622人、ラオス 2988人らが含まれます。

 

アメリカの中南米植民地支配の特徴

 

経済支配のみならず軍事力での直接介入も辞さない

アメリカは1865年、南北戦争が終結すると中南米支配に乗り出しますが、当初はまだイギリスと併存する形の中南米支配でした。

しかしイギリスが第一次世界大戦の結果、国力を失い中南米支配から手を引くと、アメリカが中南米支配は一国支配の独壇場になります。

イギリスの中南米支配が主として「経済的支配」に限定されたものだったのと比較して、アメリカのそれは経済的支配に加えて、自国の権益を守るためには軍事力を伴った直接介入も辞さないものでした。

その様なアメリカの態度は中南米諸国の根強い反感を受けて、第一次大戦が勃発した時に「対独宣戦布告」した国はわずかにとどまったほどです。

その歴史的な反米感情は21世紀の現在も続き、2022年にウクライナ戦争が勃発した際に、アメリカの呼びかけの「対露経済金融制裁」にたいして南米の大国のブラジルは明確に反対の意思を示しました。

ブラジル、アルゼンチン、ペルーなどの大国は経済的に自立しておりアメリカに対して自国の意思を明確に表明できますが、ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラなど完全にアメリカの「経済的従属下」に置かれ続けてきた国は、宗主国のアメリカに不法移民と言う形の「民族の大移動」として逆流することは当然でありアメリカとしては甘んじて受けなくてはならない「帝国の宿命」なのです。

 

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