書籍化しました
《日本に二大政党制は成立しない①》
民営化に話が飛びましたが、私が言いたいのは、「二大政党制」という「慣行」は、非常に無駄が多い。
国政における「政策的なロス」が大きく、それが政治の遅滞を招き、結果的に国民に不便をもたらすのではないかと常々思っています。
前の記事で述べたイギリスの
- アトリー首相による基幹産業の国有化
- サッチャーによるその逆の民営化
アメリカでは
- オバマ政権による「オバマケア」とTPP
TPPは元々、オバマ政権が発案して、日本を巻き込んだものです。
当時の甘利担当大臣がタフな交渉を繰り広げて、日本側にとって非常に有利な条件でアメリカを含め参加12か国を取りまとめました。
しかし、トランプが大統領に就任すると「離脱」を表明。
アメリカを除く11か国で批准され「TPP11」として発効しています。
オバマケアの正体「事実上の増税」
オバマケアとは・・・・Wikiより
オバマケアの要点抜粋編集
・オバマケアの目指すのは、日本の国民健康保険のような「公的保険」ではない。
・来の個人が民間の健康保険を購入する枠組みの中で、保険会社に価格が安く購入しやすい保険の提供や既往症などによる保険摘要の差別などの禁止あるいは緩和を課す。
・その代わり健康保険を購入していない個人には確定申告時に罰金(追加税)を科す。
・今まで保険購入をためらっていた階層に購入を促すものである。
・従来から個人で十分な健康保険を購入していた自営業者や勤務先経由で購入していた被雇用者には直接的な影響や変化はほとんどない。
以上
★我々日本人が、受けている「国民皆保険」とは違うんですね。
ポイントは「民間の保険会社」による医療保険サービスです。
アメリカ事情をルポする堤未果さんらの著作によると、現状のアメリカの医療保険サービスは悲惨です。
相手が「民間の保険会社」ですから、加入者は毎月ごっそり高額の保険料を取られる。
いざ、ひどい病気になって医者に行っても、医師に「薬の処方権」は有りません。
患者の目の前で、医師は患者が加入する保険会社に電話をかける。
医師「この病気には一番よく効くA(薬の名前)を使いんだが」
保険会社担当「Aは新薬で、薬価が高い、こちらの保険料の支払いが多くなるから、一番薬価の安いDにしてほしい」
医師「わかった」
このような具合で、医師は保険会社の許可なくして、投薬の処方箋は書けません。
踏んだり蹴ったりは当の患者です。
毎月、ごつい保険料を給料天引きで引かれながらもいざ病気に罹ったら、一番薬価が安くて、効きの悪い薬を処方されて、病気が長引きます。
盲腸の手術などは、手術が終わったら、看護師から
「はい、手術は終わりました。次は抜糸のころまた来てください。じゃあとっとと帰ってください」といわれるそうです。
こんな状況ですから、アメリカ人の貧困層の人(白人も含めて)は、腕を骨折したぐらいでは、病院に行かずに、自分で包帯と木片で添え木を作って、根性で治すそうです。
盲腸の手術が一回、250万円、貧困層は一度入院して手術を受けると破産するそうです。
日本でも、盲腸の手術を保険無しで受けると100万円はするそうですが。
上記、諸々のアメリカ国民の「悲惨な医療地獄」があって、そもそも「民間保険」に入る経済力のなかった貧困層も民間保険に強制加入させるようにしたものが、オバマケアでしたが、私は限界があると思っていました。
保険に未加入の米国国民が増えました。おもに貧困層です。しかし、オバマケアは、強制的に保険に加入させる制度です。
すなわち、オバマケアとは、経済的な理由から保険加入を見送っていた貧困層に対する、事実上の増税なのです。
★トランプは「オバマケア」もあっさりと廃止しました。
オバマケアを廃止させたのは正しい判断だと思いますが、このようにアメリカも共和党、民主党の2大政党による政権交代は、振り子のように非常に振れ幅が大きく「政治的安定性」にかけると思います。
続きます。