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蔡英文総統、台湾に吹くトランプと言う「春風」
2016年1月16日に、台湾の「親中国派」の国民党候補を破って、初の「女性台湾総統」となった民進党の蔡英文女史です。
私が彼女を知ったのは、2012年の総統選でしたが、「行政経験不足」を疲れて、現職の馬英九に破れました。
総統選の直前に中国ウォッチャーの宮崎正弘氏が「眼鏡をかけたおかっぱのおばさん」と称していました。
決して「美人」とは言えませんが、「強固な知性」に裏付けられた「凛」とした雰囲気は好感が持てます。
彼女の家系は、祖父は客家(はっか)系中国人で、祖母は原住民のパイワン族です。
客家とは、中国大陸の黄河流域に住んでいた漢民族で、「勢力争い」に破れて、台湾を筆頭に東南アジア一帯に
進出した部族です。特に東南アジア諸国の「経済と金融」を握る華僑に多いです。
彼女の父はやり手の実業家で、日本統治時代に教育を受けた親日家、晩年は不動産投資で大儲けした台南の大富豪です。
幼少より秀才だった彼女は、台湾トップの台湾大学法学部を卒業し、アメリカの名門、コーネル大学ロースクールで法学修士号、
イギリスのLSE(ロンドンスクールオブエコノミクス)で法学博士号を取得しました。
「国際経済法」専門の弁護士です。
戦後の「蒋介石」以来の「戒厳令」「恐怖政治」「白色テロ」から台湾を解放し、台湾を初めて民主化した李登輝元総統の
ブレーンとなり、頭角を現し、「反中親日」「台湾独立志向」の民進党(日本の民進党と間違わないように)の議員となりました。
2012年の総統選の時は、「未熟者(蔡英文)」と「無能者(馬英九;まえいきゅう)」の戦いと言われ破れましたが
今年見事に捲土重来を果たしたわけです。
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≪必ずしも高くない現在の評価≫
2016年1月の選挙の圧勝、主要市長選の圧勝、台湾議会の民進党過半数獲得と歴史に残る「トリプル大勝利」でしたが
5月に新総統になった彼女は「実に慎重な政策」に徹して、「大胆な改革」に着手できません。
その為、今回の選挙を資金的に援助した、在外台湾人から「強い不満」と「抗議」が来ています。
支持率もじりじり下がっているそうです。
残念ながら、仕方ない面もあります。
未だ侮れない「外省人」の影響力
「外省人」とは、日本終戦後から「国共内戦の敗戦」にかけて、台湾に逃れてきた、蒋介石国民党総統と国民党敗残兵と軍属その家族たちで、現在、人口約2300万人の台湾の20%を占めると言われます。
人種、民族的には「まるっきりの中国人」です。
我々が考える「純粋な台湾人」とは、終戦までの「日本統治時代」に台湾島に住んでいた。
所謂「本省人」と言われる人たちです。
人種的には、中国の明の時代や清の時代に、対岸の中国の福建省や浙江省などから渡ってきた、客家をはじめとする
中国人男性(明、清政府は女性の移住を認めてこなかった)と台湾の原住民(オーストロネシア族、要はマレー系)の女性との
混血人種です。台湾の原住民の女性は非常に美人が多いので、「純粋な台湾人」は美人が多いです。
★要するに「純粋な台湾人」とは、「平地に居住する本省人」+「原住民」のことです。
≪43年間の「国民党政治の残滓≫
★蒋介石が率いる、国民党政治と言っても、蒋介石、蒋経国父子による「独裁政治」であり、「戒厳令下の恐怖政治」でした。
その矛先は、本省人に向けられ「弾圧」と「本省人差別」が続きました。
従って、台湾国軍や、官僚、公務員、教員の要職は、未だに「既得権益」として「外省人」が握っています。
≪急激な「外省人排除」は不可能≫
総統の権力をもってしても、それは不可能です。何故なら「台湾国軍」の将校たちは皆、外省人ですから、
「クーデター」を起こされてはひとたまりもありません。未だ軍事力・暴力装置は外省人が握っているのです。
≪蔡英文を「後押し」するトランプと言う「季節外れの春風」≫
アメリカの大統領にトランプが当選してから、風向きが変わりました。
★トランプ、「一つの中国」を否定。
「一つの中国論」=台湾は中国の領土、は国際法でもなんでもなくて、中国政府が、自国と国交を結びたい国に対して、踏ませる「踏み絵」です。
日本も、1947年の「日中国交正常化」の時に、時の田中角栄総理は、中国側に条件を飲まされて台湾=中華民国と断交しました。
何の根拠もない「慣例」でしたが、トランプが蔡英文と電話会談するときに、彼女を「台湾総統」と正式に呼び
「悪しき慣例」を打ち破りました。中国政府はトランプを非難できる度胸もなく、王毅外相が、台湾を皮肉っただけでした。
★次期大統領トランプは、アメリカの安全保障上、台湾は不可欠の国家として認識したのです。
支持率低迷の蔡英文にとって、これ以上ない「追い風」となるでしょう。
それでは、命式を見てみましょう。
四柱推命鑑定 命式 蔡英文
【総合鑑定】台湾独立または日本への復帰としては「つなぎ役」の総統
・病気や災厄に遭いやすい命式
・偏官が2個、正官が1個あります。「官殺混合」です。
・「官殺混合」の人で、命式に食神か傷官の無い人は、病気や災厄に遭いやすいと言います。
台湾の「政情」からは、テロは考えにくいですが、病気には注意してもらいたいものです。
・「血刃&駅馬の魔のペア」が、3組もあります。
今まで、「大事故」に遭わなかったのが不思議なくらいです。
余程、「強運」か何かに守られていたのでしょう。
・彼女には、未だ凄い強運が有ります。
圧勝した2016年1月16日の総統選挙。
暦の上では、2016年ですが、四柱推命では節明け(節分の翌日2月4日)までは前年ですから2015年です。
2015年―乙未―正財―晦気で、最悪の年でした。ではなぜ圧勝したのでしょうか?
2016年1月の月運は、己丑―印綬でした。
月運の印綬が命式中の2個の偏官とパワーラインを形成して、大発展を遂げたのです。
★いずれにせよ、「民族」や「国家」の運命が変わる時に「天から使わされた「天命の子」」と言えそうです。
彼女の二十八宿は柳宿です。
男女とも頭が切れ、普段は温厚ですが「切れる」と激しいでしょう。
大運を見てみましょう。コメントなしは問題ない10年です。
58歳~68歳 庚寅―比肩―絶・・・残念ながら十二運は「絶」と最弱です。パワーが不足です。
庚寅の寅が命式中の2個の申と二重に冲「ちゅう」を形成します。不吉です。68歳までは病気や事故に気を付けてもらいたいです。
★台湾出身の黄文雄先生は「台湾独立の「つなぎの政治家」と評価していました。一期で終わる可能性が高いです。
年運を見てみましょう。コメントなしは問題ない年です。
2017年 丁酉―正官・・・思い通りになる最高の年です。昨年の不調が嘘のように政策を推進できるでしょう。
2018年 戊戌―偏印―空亡・・・空亡ですが、戊戌の戌と、命式中の寅と午が三合を形成します。
「一発逆転」が有るかもしれません。
2019年 己亥―印綬―空亡・・・ツケを払う年です。2017年の政策で実績を挙げないと支持率が下がるでしょう。
2020年 庚子―比肩・・・空亡明けの年ですが、翌年は次期総統選の年です。任期中の実績を期待したいものです。
以上