国際法を知らない「弁護士」文大統領(後)
書籍化されました
《大韓民国の「法体系」は戦前の大日本帝国の法体系と同じ「大陸法」》
大日本帝国は、憲法からして、ドイツ第2帝国(ビスマルクの時代)の考え方をお手本にしていました。
明治維新で近代国家になるまでは「幕藩体制」、ドイツは「領邦国家(日本の各藩を国家とみなすもの)」で同じ「封建制」です。
明治維新は1868年で、ドイツ第2帝国の成立(普仏戦争での勝利)も1871年で、ほぼ同時期です。
伊藤博文は、当時の日本から見たら先進国すぎた、イギリスやアメリカよりも、歴史の成り立ちや「発展段階の近い」ドイツに範をとるべきだと考えたのは正しかったと思います。
「大陸法」というと、主に、ドイツやフランスの「法体系」を指します。
対立後としては「英米法」で、イギリスやその植民地だったアメリカの法体系です。
典型的な違いは「英米法」は「判例重視」です。
ですから、各、法律の条文で「~をしてはならない」と明文規定していないことは、やってもよい。やっても罪になりません。
現行の日本国憲法は、占領下にアメリカの民主党政権(トルーマン大統領)から、「英文の草稿を日本語に翻訳して使え」と命令されたものですから、条文を見てもわかるように「典型的な英米法」です。
ですから、相当前の記事で書きましたが、「皇族を刑法で逮捕することが可能かどうか」法務省の刑事局に確認したところ「憲法が判断します」という回答でした。
従って、日本国憲法には、「国会議員の国会開期中の不逮捕特権」は有りますが、「皇族の不逮捕特権」は書いていません。
「皇室典範」にもうたっていないので、「ヤフオク事件(週刊新潮2008年11月の報道)」が立証されれば逮捕は可能です。
また、刑法の窃盗罪は時効は7年ですが、民法の「不法行為」であると解釈すると時効は20年です。
ソウル大学(京城帝国大学)
話しはそれましたが、現在の韓国の最高学府のソウル大学校の前身は日本統治時代の京城帝国大学です。
終戦の1945年8月15日以降、在韓アメリカ占領軍の命令で、他の専門学校数校を吸収する形で、そのまま、京城帝国大学→ソウル大学校とスライドしました。
京城帝国大学
「法文学部」の科目を見ると
法文学部は憲法・行政法/民法・民事訴訟法/刑法・刑事訴訟法/経済学/政治学・政治史/羅馬法/
哲学・哲学史/支那哲学/倫理学/心理学/宗教学・宗教史/美学・美術史/教育学/社会学/国史学/
朝鮮史学/東洋史学/国語学・国文学/朝鮮語学・朝鮮文学/支那語学・支那文学/外国語学・外国文学の各講座を設置。
一つ、「羅馬法」という気になるものが有りますが、読みは「ローマ法」です。
ローマ法
狭義には古代ローマや中世の東ローマ帝国の法体系であり、広義には中世の西ヨーロッパで復活し発展した普通法としてのローマ法も含む。
ローマ法の現在
現在、ローマ法はもはや法実務においては適用されておらず、南アフリカやサンマリノのような一部の国の法制度が、
今もなお旧来のユス・コムーネに基礎を置いているのみである。
文在寅と「国際法」
私も「ローマ法」なるものを初めて聞きましたが、即なくとも第二次大戦後は、「実務」として使用される法律ではないようです。
例えて言えば、イギリスや欧州の大学で教養として習う「ラテン語」の様な立ち位置でしょう。
結論を言えば、京城帝国大学時代から「講座」としての「国際法」はなく、戦後も、旧大日本帝国の「大陸法的法体系」を維持して、ソウル大学校にスライドしたので、朴正煕軍事政権下で法学部の学生生活を終了した文在寅は「国際法」の授業を受けた経験がなかったとみるのが妥当でしょう。