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《金王朝の「隠し資産」も激減した》
朝鮮労働党39号室
北朝鮮の外貨獲得機関。朝鮮労働党の財政経理部であり、朝鮮労働党中央委員会政務局に所属。
アメリカ陸軍大学戦略研究所の論文によれば、麻薬密売、通貨偽造、偽造タバコ密売等の不法活動を指揮する金正恩直属の機関。
概要
39号室は1974年に金正日が権力基盤固めに使う外貨を稼ぐ機関として設立した。
対外取引を担当する朝鮮大聖総局や、その傘下の核・ミサイル関連取引が指摘されている朝鮮大聖銀行などで構成されている。
下部機関として約120社の企業が北朝鮮国内の金・銀鉱山などの管理を独占しており、水産物やマツタケの輸出なども手がけている。
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「39」は朝鮮労働党の3号庁舎の9号室を意味するとされている。
2005年にアメリカ合衆国による金融制裁で凍結されたマカオのバンコ・デルタ・アジア銀行の資金管理も行っていた。
韓国(南朝鮮)で逮捕された北朝鮮工作員金東淳は朝鮮大聖総局の高級幹部であると、義娘である工作員元正花が供述している。
金正日の長男である金正男が責任者を務めていたとも報じられている。
バンコ・デルタ・アジア銀行
中華人民共和国マカオ特別行政区の銀行。
1935年に設立され、香港とマカオで主に活動する、デルタ・アジア・フィナンシャルグループの源流となった。
2005年9月、北朝鮮の偽煙草や、偽造紙幣、麻薬の取り引きに使った資金洗浄に関わっているとして、
アメリカ合衆国財務省のブラックリストに載った。
これを受けて取り付け騒ぎが起き、他国との取り引きも停止した。
その結果マカオ政府の管理下に入り、北朝鮮の朝鮮労働党39号室に関連すると見られる口座の凍結が行われた。
凍結された口座の中には、奢侈品を購入していた金正日総書記の個人口座も含まれているとされる。
実質上の「愛国法」(USA PATRIOT Act)311条による経済制裁として、北朝鮮の政体に対する脅威となったと見られ、
北朝鮮側は一連の六ヶ国協議において、口座凍結の解除と資産の返還を最優先の要求としていた。
2007年3月、資金洗浄にかかわっていた事実が認定されたとして、
アメリカ合衆国との送金契約が全て取り消された。
「朝鮮労働党39号室に関連すると見られる口座」
かつて、50億ドル~300億ドルに及ぶ外貨があったと言われていましたが、現在の残高は1億ドルを切ってしまったそうです。
バンコ・デルタ・アジア銀行だけではなく、スイスの銀行にも有った「金王朝」の口座もアメリカの圧力で閉鎖させられたそうです。
かつてあった最大300億ドルの外貨の内訳は、日本の朝鮮総連からの「不正送金」と、韓国左派(金大中~廬武鉉~文在寅)からの送金だったと言われています。
朝鮮総連からの「不正送金」は主に日本国内の通称「朝銀(あさぎん)」、全国の朝銀信用組合から吸い上げた資金の「不正送金」でした。
日本のバブル崩壊で大量の不良債権を抱えて、2度も経営破綻した朝銀信用組合は、その後、第一次安倍政権以降、金融庁の厳しい監督下に置かれて、朝鮮総連経由での「不正送金」は不可能になりました。
従って、今現在、北朝鮮には日本から流入する資金は有りません。
《文在寅に代表される韓国左派からの「不正送金」もアメリカの厳しい監視で不可能となった》
2018年4月、文在寅が金正恩と板門店で南北会談を行った時に、サムスンを筆頭とする財閥のオーナーも同行させていました。
すると、会談終了後、ソウルに戻ったサムスンの幹部に、駐韓アメリカ大使館から直接電話が入って「あなたの行為は国連安保理の制裁決議違反だということを知っていますね」と警告されたそうです。
同時に、ニューヨークに有るサムスンの韓国のメインバンクにも、アメリカ財務省から同様の警告電話が来たそうです。
この意味することは、サムスンと言えども「国連制裁決議違反をしたらドルは使用させないぞ」
と言うアメリカの、国連制裁決議に加えた「二次制裁」です。
《韓国左派、金大中~廬武鉉と続いた「対北肥料支援」も無くなった》
韓国左派の金大中以降、食糧危機にあえぐ北朝鮮に「肥料の無償提供」もやっていましたが、2010年の延坪島砲撃事件をきっかけに当時の保守派の李明博が「肥料支援」を打ち切りました。
《北朝鮮内の「権力の継承」はどうなっているのか?》
西岡力教授の見解は「金正恩は4月に心臓の手術を受けたことは間違いない。
ただ、その時に数日麻酔から覚めない容態になったがまだ生きているだろう」と言うものです。
ただ、一人で執務できる状態かは不明であり、次に発作が起きたらもう終わりであることは本人が自覚しています。
よしんば、自分で動けるにしても「974部隊」と言われる金正恩が車で移動するときに脇を走る屈強なボディガードの中から新型コロナの「陽性者」が出ています。
感染させられても困るし、本人は恨みを買っていて、今まで何度も「暗殺未遂」に遭遇しているので一人では外出できません。
金正恩の息子は未だ11歳(本妻ではなく妾に生ませた子)で、この子が成人するまで自分が生きている自信が無い。
それで、息子が成人するまでのリリーフとして妹の金与正を指名した。
実際に金正恩の息子は妹の金与正が育てているそうです。
《金与正は「最高権力者」しか使用できない「指示する」と言う言葉を使った》
金与正は、韓国にいる「脱北者」からの風船で飛ばしたビラに抗議するとともに開城(ケソン)にある「南北共同会談ビル」の爆破を「指示する」と言う宣言をしました。
中共は「独裁国家ですが法治国家」です。香港国安法も全人代で決議しています。
しかし、北朝鮮は「法治国家」ですらありません。
形だけの憲法の上位に「朝鮮労働党規約」があり、その上に「非公開」ですが「党の唯一指導体制確立のための十大原則」と言うものがります。
その十大原則の最も重要な原則は「北朝鮮においては首領様以外は「指示する」と言う言葉を使用してはならない」と言うものがあります。
今後の金与正の言動が注目されます。
いずれにせよ、北朝鮮の国家体制と金王朝が1948年の建国以来、過去にないほど絶対的に追い詰められており今こそ、北朝鮮に対して「先圧力」を強化して、屈服させ、「拉致問題の解決」と「核の完全放棄」を呑ませる絶好のチャンスであります。