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四柱推命、囚獄に対する誤解
入門書を出してらっしゃる、大先生、仮にA先生と、B先生の、教科書の、囚獄に関する解説を比較してみましょう。
A先生
ずばり、刑事罰を受けて、収監される。
B先生
囚獄の憂き目にあうことはもちろん、司法関係、あるいは、そうした世界を描く人にも良く見られます。
どちらが、正しいでしょうか?
私の正解はB先生です。
A先生は、おそらくあまり多くの、歴史上の人物の鑑定をされてないと思います。
B先生も、収監については触れていますが、それだけではない。と幅広い解釈をしています。
囚獄についての、読者の視野を広げる、格好のサンプルが、FBIを生涯、自分の王国にした、フーバーCIA長官です。
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エドガーフーバー|ケネディが更迭できなかったFBI長官|
ジョン・エドガー・フーヴァー(John Edgar Hoover, 1895年1月1日 – 1972年5月2日)
アメリカ連邦捜査局(FBI)の初代長官。
1924年5月10日に司法省内の捜査局(Bureau of Investigation:BOI)の第6代長官に任命され、組織がFBIに改称された後の1972年に死去するまで長官職にとどまった。
就任当時の第29代カルビン・クーリッジから第37代リチャード・ニクソンまで、8代の大統領に仕え、これは現在に至るまで合衆国で、最も長く政府機関の長を務めた人物の記録となっている。なお彼以降はFBI長官任期は、10年に制限されている。
フーヴァーはFBIを巨大な犯罪捜査機関として強化したことや、指紋ファイルや法医学研究所などの捜査技術の近代化と科学的な捜査手法を導入したことで称賛された。
晩年と死後
フーヴァーは権力の乱用が明らかになり議論の余地のある人物となった。
彼はFBIの管轄権を超え、政治的な反対者や活動家に対してFBIを使って秘密ファイルを作成し、不正な方法を使って情報を収集したことが判明した。
その結果、フーヴァーには権力が集中し、大統領をも脅かす立場となった。
伝記作家のケネス・アッカーマンはフーヴァーの秘密ファイルが大統領による罷免から彼を守ったという考えは誤っているとする。
しかしリチャード・ニクソンは1971年にフーヴァーを罷免しなかった理由の1つとして、フーヴァーからの報復を恐れていたと述べている。
ハリー・S・トルーマン大統領によれば、フーヴァーはFBIを秘密警察へと変えた。トルーマンは次のように述べている
「ゲシュタポや秘密警察は欲しくない。FBIはその方向に向かっている。彼らはセックススキャンダルと明らかな脅迫でちょっかいをだしている。
J・エドガー・フーバーは乗っ取るために右目をつけ、上院と下院の全ての議員は彼を恐れている。」
★要するに、盗聴することによって、大統領、特にケネディのSEXスキャンダルを握り、脅しをかけ、自分を罷免できないようにして、歴代大統領に無言の圧力を加え続け、47年間死ぬまでFBI長官に居座り続けたのです。
ケネディのスキャンダル
ケネディは、上院議員時代に妹婿で、売れっ子俳優だった、ピーター・ローフォードの紹介で、フランク・シナトラと知り合い、マフィアと切っても切れない関係にあったシナトラから、ジュディス・キャンベル(生年月日等詳細不明)という女性を紹介され、愛人にしました。
しかし、このジュディスは何と、マフィアの大物、サム・ジアンカーナの愛人だったのです。ケネディとジュディスの不倫を、盗聴網で知った、フーバーは、交際をやめるように忠告したことになっています。
また1961年に大統領に就任したジョン・F・ケネディもフーヴァーを免職しようとした。フーヴァーはすぐにケネディのもとに行き、もし免職したら自分が持っている情報(ケネディの女性問題や、自らも親しいジアンカーナなどのマフィアとの関係)を公開すると言い放ったという。
ロバート・ケネディがFBIを厳しく締め上げたとき、フーヴァーの片腕のクライド・トルソンは「誰かが奴を撃ち殺してくれればいいのに」と言い残している。
ということで、このとんでもないおっさんの命式を見てみましょう。
ジョン・エドガー・フーバー
1895年1月1日生まれ~1972年5月2日(77歳)
・・・上 中 下 宿命星 蔵干 十二運 吉凶星
年柱 甲 午 丁 偏官 印綬 偏印 帝王 羊刃 囚獄 白虎殺
月柱 丙 子 癸 偏印 正財 胎 囚獄 白虎殺 隔角 飛刃
日柱 戊 申 庚 食神 病 文昌貴人 孤辰 駅馬
時柱 壬 子 癸 偏財 正財 胎 囚獄 白虎殺 月徳貴人 隔角
【寅卯空亡】
【総合鑑定】四柱推命の教科書に最適な命式
十二運を見ますと、帝旺、胎、病、胎なので、総合的に見て身弱です。
1月生まれの戊(山の土)です。戊は夏が旬ですから、月令は得ていません。こんな彼が、何故、47年間FBIのトップに座り続けられたかというと、
年柱に羊刃と偏官が並列しています。この場合は異例の出世をするのです。
★特筆すべきは、囚獄が3個もあることです。先ほどのA先生の解釈が正しければ、フーバーは、それこそ終身禁固刑になっていなくてはおかしいはずです。
しかし、彼は47年間、罪人を逮捕する側の人間でした。そして逮捕歴は有りません。
B先生の言う、典型的な司法関係の人間です。
白虎殺も3個ありますが、これも、種を明かすと、囚獄が来れば、もれなくついてくる、四柱推命の構造の一つです。
但し、歴代の大統領に恨まれてましたから、暗殺の可能性はあったでしょう。
そこは、フーバーです。マフィアの幹部とも仲良くしていましたし、マフィアへの取り締まりは緩かったです。
囚獄には意地が悪いという意味もありますので、フーバーはその典型でしょう。
《印星殺の成立》
印綬が1個、偏印が2個あるので、印星殺の成立です。
死亡日の行運を見てみましょう。
72年 壬子癸 偏財 正財
05月 甲辰戊 偏官 比肩
02日 癸巳丙 正財 偏印
1972年は壬子で、子が年柱の午と冲「ちゅう」を形成します。
2日には、お約束の、偏印が巡ってきます。歴代の大統領を震え上がらせたフーバーも、印星殺には、勝てなかったわけです。
《社会派推理作家の松本清張》
ケネディとは、関係ありませんが、B先生の解説で、司法関係の世界を描く人に見られます。
とあったので、松本清張が頭に浮かび、命式を鑑定することにしました。
ご存知のように清張は、「日本の黒い霧」など、刑事事件に関する推理小説を多数、世に出しています。きっとこの人には囚獄があるだろうと期待して
鑑定した結果が以下です。
松本清張
1909年12月21日生まれ~1992年8月4日(82歳没)
・・・上 中 下 宿命星 蔵干 十二運 吉凶星
年柱 己 酉 辛 偏財 偏官 絶 囚獄 白虎殺
月柱 丙 子 癸 傷官 偏印 印綬 病 天乙貴人 咸池 隔角
日柱 乙 卯 乙 比肩 建禄 囚獄 白虎殺
時柱 壬 午 丁 印綬 食神 病 月徳貴人 文昌貴人 隔角 咸池
【子丑空亡】月柱に子があるが、時柱の午と冲「ちゅう」を形成するので、解空する。
【総合鑑定】四柱推命の教科書のケーススタディに最適
★結論から言いますと、やっぱりありました囚獄(笑)2個も。
断っておきますが清張は逮捕歴は有りません。
刑事事件を題材にしたノンフィクションや、社会派推理小説の第一人者です。
十二運を見ると、絶、病、建禄、病で、総合的に見て身弱でしょう。
12月末生まれの乙(草花)です。乙の旬は、春ですから、月令は得ていません。
ならば、何故出世したかというと、月柱に偏印が有りますが、月柱は時柱と冲「ちゅう」を形成するので、【偏印の印綬化】が起きます。それが出世の原動力です。
また、偏官と印綬がパワーラインを形成します。これも出世の原動力です。
日柱が、乙卯―建禄の人の性格は「完璧型」と分類されます。基本的には、芯が強く、正義感も強い人が多いです。文筆業、ジャーナリストでは社会派向きです。
「完全主義者」で、仕事は常に、完璧を目指します。従って、思考が緻密で、解析力の優れた人が多く見られます。
清張の推理小説の「緻密なストーリー展開」は有名です。
《印星殺の成立》
印綬が2個、偏印が1個あります。印星殺の成立です。
逝去した日の行運を見てみましょう。
92年 壬申庚 印綬 正官
08月 丁未己 食神 偏財
04日 壬子癸 印綬 偏印―空亡
1992年は印綬の年運でした。
4日は空亡日で、しかも、お約束の印綬と偏印が巡ってきます。
★清張先生も印星殺には敵わなかったわけです。