岸田政権は政権基盤の強化に成功し安定感を強める
※2021年の自民党総裁選 私はこの本を読んで岸田支持を決めました
昨年末の御挨拶で述べましたが、岸田総理が総理就任以前から温めていた政策(政権構想の「岸田ビジョン」に書かれている)を実行に移しやすくなるでしょう。
岸田総理の手足を縛ってきた軛(くびき)は
- 党内最大派閥の安倍派(99人)
- 非主流の二階派
- 神奈川グループ(河野太郎、小泉進次郎)を担いで政権奪回を狙う菅義偉前首相
- 安倍派の別働部隊の大阪維新
この四要素でした。
今回の「裏金疑獄」で現時点ではまだ逮捕者は一人しか出ていませんが、東京地検特捜部のリークにより「社会的制裁」は相当広い範囲の国民の認識として浸透しています。
拙著にも書きましたが有力国会議員の実名を挙げて「任意で事情聴取された」と報道されれば「実質的な被疑者」であるという事が周知されその時点で「政治生命」は終わりだからです。
「まだ任意じゃないか」と思う人がいるかもしれませんが、刑事訴訟法(刑法に至る手続き法)では「最初は任意で聴取」が原則なのです。
任意による事情聴取→ガサ入れ(強制捜査)→逮捕・起訴、在宅起訴
と言う流れが原則です。
任意であれ事情聴取するという事は、検察側は既に立件できるだけの証拠を固めているという事です。
その意味で、既に複数回の任意の事情聴取を受けていると報じられた安倍派幹部(事務総長経験者)と二階派トップの二階俊博元幹事長は、今後は派閥として「政局」を起こせない「岸田降ろし」は出来ないという事です。
2021年9月の政権発足以来、「安倍真理教信者」「安倍友既得権益層」が利権奪還の為に頻繁に流布する「菅主導による岸田おろし」も、菅は派閥を持っていませんから、二階派と組み、最大派閥の安倍派を寝返らせるしか手が無かったわけですから今となってはもう不可能です。
キングメーカー麻生太郎(?)による「茂木敏充擁立説」
これは某左派系全国新聞のOB政治記者が自身のYou Tube番組で繰り返し述べていますが、そもそもロジックがおかしいし、1955年以来の自民党の「政争史」でもリアリティが全く有りません。
党内第二派閥の麻生派といっても、元々は宏池会からスピンアウトした「河野洋平グループ」で麻生は河野洋平存命中は一時的に、御曹司の河野太郎ともども「お預かり」しているだけで、そこに安倍―菅政権時代の「膨張戦略」で旧三木派と合併しただけで、ただ頭数が多いだけで一枚岩ではないと思います。
一方、担がれるとされる幹事長の茂木敏充も自信がトップだと自称していますが平成研の参院勢力は「反茂木」だし、衆院側も「正統性」からすれば小渕優子の方にシンパが多い。
要するに自派閥を掌握できていないだけでなく、連立を組む公明党から嫌われ、自民党内でも人望が無い。
「ポスト岸田」のメディアのアンケートでも、未だに5位か6位です。
この国難で岸田おろしをやって、敢えて火中の栗を拾う力量と度胸のある政治家はいない
昨年からの「安倍派裏金疑獄」は否応も無く、政治資金規正法の「改正法」の成立を野党のみならず国民も要求しますし、能登半島地震も被害の全容が明らかになれば、今通常国会中に、新年度(4月1日)以降、補正予算を組まざるを得ないのはほぼ規定事項でしょう。
また再発防止策も織り込んだ「実効性のある改正政治資金規正法」を野党や国民が納得できる形で、成立させるには通常国会の延長が必要となるでしょう。
そのほか「数十人に上る」と予想される公民権停止を喰らった安倍派議員の空席分の「大規模補選」もやらなくてはなりません。
そうなると国会法上、可能かどうかはわかりませんが、180日、通常6月下旬で会期末を迎える通常国会を更に二カ月、延長せざるを得なくなれば、8月下旬で翌月の9月はもう自民党総裁選です。
「安倍派5人衆」はもう誰も挙手できません。
河野太郎は親分の麻生太郎が許さない。
林官房長官は岸田総理の「再選」を支持すると明言しています。
笑止に耐えない「高市早苗総理誕生説」
主に「安倍友既得権益層」でネオリベ(新自由主義)の高橋洋一らが言っています。
理由は「高市が無派閥だからベストだ」と言う短絡的な根拠です。
高橋洋一の「小泉純一郎の様に派閥をぶっ壊すと言えば勝利間違いなしだ」と言う唯一の成功体験に縋る理由です。
派閥には
- 政策研究集団
- 政権取りの為の野合集団
- 脱税集団
と三種類あります。
従来の保守本流で唯一「看板」を守っている宏池会が政策研究集団の典型で、平成研も茂木がいなくなれば田中派(木曜クラブ)→竹下派(経世会)に先祖返りするでしょう。
「野合集団」の典型が麻生派です。大宏池会構想と言うのが有りますが、宏池会の優秀な若手は「常用漢字を読めない派閥の領袖」の傘下には入りたくないようです。
※麻生先生!政治資金でゴルゴ13の中古本を大量に買う様なしみったれた真似は止めてください
「脱税集団」の典型が安倍派でこれは「派閥」と言うよりは純粋な「反社集団」です。
二階派は「野合集団」と「脱税集団」の両方の要素を持っています。
ですから「今回の捜査」の目的は「派閥とカネの問題」ではなく、「安倍派と裏金、脱税の問題」であって安倍派が絶滅して、逮捕されるべき議員は逮捕され、公民権停止されるべき議員も政界を引退して、身の潔白が証明された議員と派閥が宏池会の様な純粋な「政策研究集団」に再編成されればよいのです。
■高橋洋一や菅義偉の詭弁
「安倍晋三さんは亡くなるまで8カ月しか派閥の会長をやっていないから「安倍派」と呼ぶのはおかしい」とメディアに抗議していますが、自分達の自民党政治史に対する無知をさらけ出しています。
安倍晋三の実父の故安倍晋太郎は、福田赳夫をから後継指名されて、1986年から亡くなる1991年まで5年間も「安倍派会長」として君臨していました。
高市自身も「もう一度戦わせて頂きます」と宣言して閣僚でありながら「勉強会もどき」を開催した時には、自民党内の顰蹙を買い、爆笑を通り越して顎が外れるかと思いました。
※類は友を呼び自己を客観視できないことは恐ろしい
10人しか集まらなかったし「いかにもな女性議員」ばかりで女性お笑い芸人グループの結成会かとおもいました。
自民党総裁選立候補に必要な「推薦人20人」は小学生でもわかりますが無理でしょう。
予期せぬ突発事項さえなければ9月の自民党総裁選で無投票で岸田総理が再選される可能性が高い
※全てを兼備したこの奥方が夫に早期退陣を懇願する可能性はほぼゼロ
「予期せぬ突発事項」とは
- 岸田総理自身が嫌気がさして政権を無責任に投げ出す
- 続投不可能な急病や事故の勃発
- 総理夫人が「退陣して下さい」と強く要請する
以上3点ですが現時点ではどれも可能性が低いと見ています。
②は主犯がアメリカの可能性が高い「保守本流出身の総理大臣」に多く見られた冤罪による失脚や不審死ですが、3月上旬のバイデンによる国賓待遇の訪米も、岸田総理はアメリカ民主党、バイデン政権にとって「非常に協力的」なので失脚を仕掛ける可能性は低いと見ています。