香港に投影される中国、中東産油国のそれぞれの半英米感情
元々産油国の原油輸出代金の決済はアメリカから「ペトロダラー制」と言われて米ドル決済を強制されています。
ロンドン市場から日本株買いに入ったと言うのは中国株の売却で手に入れた代金はドルだったからです。
なぜロンドンからかと言うと1980年代からの「ユーロ・ドル」の考えからです。
今のEUの共通通貨のユーロとは違い、米ソ冷戦時代、ソ連は自分が保有している「ドル資金」を米国内の銀行に預金しておくと何かあった時に「口座凍結」されかねないから、
ロンドンの銀行に大量に「ドル預金」していたのを「ユーロ・ドル」と呼んでいました。
「ユーロ・ドル」とは米国外、主に欧州、ロンドンシティの銀行口座にある米ドルで、アメリカの財務省やFRB(連邦準備制度理事会)」にとって銀行の守秘義務により実態が把握できず、統制の効かない厄介な自国通貨と言う定義です。
実際に2022年2月のプーチンのウクライナ侵攻でロシアの米国銀行に預けたドル預金はバイデンによって凍結されました。
中東湾岸産油国も他人事ではない
画像はバイデンを見据えてグータッチするムハンマド王太子
中東産油国の盟主のサウジアラビアもムハンマド王太子は、バイデンと仲が悪く、むしろ中露と仲が良いのでドル預金をおちおちアメリカ国内の米銀に預金していられないのです。
その点ウォール街よりロンドンシティの方が預金利息に課税しないとか「ほぼ規制ゼロ」なので使い勝手が良いのでしょう。
香港筋とは「ロンドン筋」だったのか😱
今年になってやっと昔おおいに悩まされた「香港筋」の正体がわかりました。
香港民主化暴動が習近平によって2021年8月に鎮圧されて以来、イギリスは謀略基地として香港を使えなくなったので次の「国際金融都市=謀略基地」として東京を狙っているのでしょう。要するに東京を香港の代わりに自国の利益の為に利用しようと言う魂胆で、いかにも「アングロサクソン的な謀略」であり、その点ではアメリカと利害は完全に一致しているという事です。
余談ですが2019年~2021年の3年半の「香港民主化暴動」は香港に利権を持ち拠点とする習近平の政敵の曽慶紅と「民主化」の名を借りて、香港を取り戻したいイギリスの諜報組織が連携して、「習近平失脚」を狙った「東アジア版アラブの春」だったと言われています。
激烈な言葉で挑発し続けるトランプ(当時大統領)に対して習近平は挑発に乗らず暴動鎮圧に人民解放軍と戦車を投入せずに、丸三年かかっても香港警察に鎮圧を任せたのは賢明だったと思います。
人民解放軍を投入していたら、世界中から経済制裁を受けた「六四天安門事件」の再来となり、二度目ですから習近平失脚は疎か中国共産党体制の崩壊から内戦に陥っていた恐れすらありました。
画像は1989年の「六四天安門事件」 江沢民は民主化を求める学生に人民解放軍を投入した
先頭に立った学生リーダーの周庭(アグネスチョウ)や黄 之鋒(こう しほう)には同情しますが、香港と言う「事実上の都市国家」は1842年のアヘン戦争と言う大義無き戦い(非は全てイギリス側にある、林則徐が焼却したアヘンはアメリカ貿易会社の商品だった)でイギリスに奪われ、それが清朝の衰退と100年間の反植民地化と内戦を招いたと言う歴史を中国の知識層はよく理解しており「民族の屈辱」と言う恨みは日中戦争の「反日感情」を遥かに超えるものがあります。
例え反共産党であっても中国の保守知識層が周庭(アグネスチョウ)の背後に「イギリスの影」を見ているとしたら、ちょうどミャンマーのアウンサンスーチー(夫が旧植民地宗主国のイギリス人)の様に長く厳しい逃亡の人生となるでしょう。
アヘン戦争の派兵に当たってはイギリス議会でグラッドストンら良識派の猛反対を押し切ったのが当時ユダヤ人初のイギリス首相のディズレーリ(ディ・イスラエルの意味)だったというのも「歴史の奇妙な符合」です。
画像はディズレーリ首相