トランプとKKKの否定できない関係
画像はデービッド・デューク 若い頃らしい、撮影日不明とAFPは注釈をつけている
https://www.afpbb.com/articles/-/3095015
AFP 2016年7月23日
米白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」の元最高幹部、デービッド・デューク氏(66)は22日、南部ルイジアナ州から米上院議員選に出馬すると表明し、「本物の米国人」のための革命は近づいていると述べた。今年11月に投票が行われる米大統領選の共和党候補に指名されたドナルド・トランプ氏が繰り広げてきた異例の選挙運動に触発された動きとみられる。
白人至上主義者で第2次世界大戦中のユダヤ人虐殺も否定しているデューク氏は、米国の極右勢力の中でも特に知名度が高い人物。
ルイジアナ州バトンルージュでは黒人男性が警官2人に射殺された今月5日の事件を受けて抗議行動が続き、さらに17日には黒人の男が警官3人を襲撃・殺害する事件が発生して人種間の緊張が高まっている。(転載ここまで)
デュークは上院議員選への出馬を表明したこの5か月前の2016年2月に大統領選ではトランプを支持すると表明しています。
デービッド・デュークは結果的に上院議員選で落選しました。
ホロコーストの存在も否定する「反ユダヤ主義」にして「人種差別主義者」
こんな主張をして「ユダヤロビー」の強いアメリカでよく普通に生活できているなと驚きを通り越して感心します。
日本で似た人物を探すと、浅沼稲次郎社会党委員長刺殺事件など数々のテロに関わって恐れられた「昭和の右翼」の赤尾敏クラスでしょう。
画像は赤尾敏(1990年没)
デービッド・デュークの地元ルイジアナは日本人にとって忌まわしい事件の遭った土地
画像は1993年、クリントン大統領に銃規制の嘆願書を渡す被害者両親
AFPの記事に「ルイジアナ州バトンルージュでは黒人男性が警官2人に射殺された今月5日の事件を受けて抗議行動が続き、さらに17日には黒人の男が警官3人を襲撃・殺害する事件が発生して人種間の緊張が高まっている」と有りますが、ルイジアナの州都のバトンルージュでは32年前、日本中を震撼させた殺人事件が起きました。
1992年10月の「日本人留学生射殺事件」です。被害者は交換留学生で現地に滞在していた罪もない16歳の男子高校生でした。
人種差別と銃犯罪が交差する南部の都市
あの事件に関しては日本中が当時の報道番組を見ていたと思いますが、私が驚愕したのは犯人のロドニー・ピアーズ(当時30歳)が陪審員裁判で無罪になった時に、市内の反応で差別されているはずの黒人の女性数人が「これが法の正義よ」と勝ち誇ったように日本のメディアのインタビューに答えていたシーンでした。
今にして思えば
①建国250周年記念を数年後に控える世界の覇権大国で未だに黒人に対する人種差別が解消しないだけではなく、その対象がアジア系にも広がっている。
②そもそも世帯主の男性や一人暮らしの女性が銃を屋内に所持しなければ自分と家族の生命すら守れない国が世界に対して対して自国の価値観を押し付ける「民主主義の御手本」と言えるのかどうか
あの事件から32年のアメリカの歴史を振り返っても、国家と様々な社会制度が劣化していく一方だと思います。
KKKに大統領就任を祝福されたトランプ
画像はKKKの秘密儀式
https://www.cnn.co.jp/usa/35092070.html
KKK、トランプ氏当選祝うパレード計画 共和党は非難
CNN 2016.11.12
ワシントン(CNN) 米ノースカロライナ州の共和党支部は11日、白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」が米大統領選に勝利したドナルド・トランプ氏を祝福するため同州内で予定しているパレード計画を非難する声明を発表した。
KKKは組織の公式サイトで、パレードは来月3日に行うと宣言。ただ、実施場所などの詳細は明らかにしていない。(中略)
一方でトランプ氏は選挙戦で、白人至上主義者からの支持を明白に拒絶することを避ける言動をしばしば示してきた。(転載ここまで)
★既に2024年の大統領選は始まっていますが、私はまだトランプとKKKの「同志的連帯」は続いていると見ています。
トランプは父親の代からKKKと深い関係があると言われている
画像は若き日のドナルドと実父のフレッド(1999年没)、フレッドは不動産屋としてユダヤ人との取引が多いため第二次大戦中はドイツ系移民の子と言う出自を隠してスェーデン系を名乗っていた。
2016年3月11日
昨年9月(筆者注;2015年9月)、ボイン・ボインが、ジャマイカのクイーンズ区で行われたクランの集会で「1,000人のクランマンと100人の警官が街頭で自由放題の集会」を行った際に逮捕された人々の中にフレッド・トランプがリストアップされた1927年5月の古いニューヨーク・タイムズの記事を掘り起こしたことで、この話が明らかになった。
ドナルド・トランプの父親は1927年に21歳で、人生のほとんどをクイーンズで過ごした。ボイン・ボインが指摘したように、タイムズ紙の記事は、集会で逮捕された7人のうちの1人としてフレッド・トランプの名前を挙げているだけで、彼は起訴されずに釈放されたと述べており、彼が「無実の傍観者であったか、偽名を名乗ったか、あるいは、混乱した出来事の最中またはその後の誤認の犠牲者であった可能性がある」可能性の余地を残している。(転載ここまで)
トランプ(当時大統領候補)はこの件について2016年2月のCNNの取材で、父親とKKKの密接な関係に関する当時の記事は事実ではないと激しく否定したが、1927年当時のKKKの活動を記憶している研究者たちはフレッド・トランプに「黒人嫌い」と「白人至上主義」的な思想や言動があった事を裏付ける証言が多い。