サントリー食品株価；私はこう見る
10月16日
嗤えるほど「スキーの直滑降」の様な株価急落です。しかも下げ止まる気配すらない。新浪剛史は極めて有能な経営者です（爆）自分の発言でたった四カ月で株価を一気に千円近く急落させたんですから。並の人物では有りませんよ。いやまぢで（笑）
★PBR（株価純資産倍率）が１倍割れになったら株価はもう戻すことはない（上昇に転じること）だろう。
その株価は３４２０円です。市場のセンチメント（感情）は皆100％「売りたい」と言っている。信用取引の買い持ちの人が売って手じまいして、空売りが増えている「株価はまだまだ下がる」とみている。
株価は２０１３年１０月２５日の「上場来最安値」の３２８０円を目指すだろう。
【プロの投資家なら絶対に手を出さない株】
株主分布は60％が創業家一族、20％が外人投資家、15％が取引先金融機関（旧UFJ銀行）個人投資家は僅か3％。創業家は絶対に売らないだろうから「外人が売り始めた」としたらもうこの株は終りだと思います。上場株式で創業家がまだ60％保有しているのは歪です。
【動かない株が75％もある異常さ】
取引先銀行の付合い上売らないだろうから合わせて75％の発行済み株式が市場に出回らないという事です。従って買える株はたったの25％。これでは下値は堅くとも大きく値上がりする可能性は小さい。個人投資家がたったの3％という事は「嫌われている株」という事です。
要するに「公開する意味の無い株」です。普通は株式を公開する時は主幹事証券会社の公開引受担当が創業家一族の株をなるべく手放す様に指導するのですが、どこの証券会社かと調べたらなんと私の古巣でした。まあ関西の老舗企業のオーナーは我儘な人が多いから社長に直接電話されたら抵抗できませんから。
【２０２３年１２月期決算はどうなるか？】
会社予想は増収減益（売上増利益減）。アナリストはやや甘めに見ていますが見方は同じです。実際の決算がアナリスト予想より悪ければ株価はまだ下がるでしょう。決算発表は来年の２月ですが私は経営の実態はもっと悪いと見ています。そして来年以降の業績は更に悪化すると私は見ています。
【サントリーの財務体質は極めて脆弱（ぜいじゃく；もろい）】
サントリーが宿敵のキリンを抜いて売上高トップになったのは積極的な海外のM&A（企業買収）でした。アメリカ最大のウィスキー会社のジム・ビーム、フランスのオランジーナをそれぞれ一兆円以上で買収しています。
【体重200kgの巨漢が竹馬に乗って歩く】
２兆円を優に超す「お買い物」を銀行借入と社債の発行で資金調達しています。毎月の支払利息の負担が半端ないです。銀行融資の返済と社債の償還に後１０年はかかるでしょう。しかし銀行の融資金利はアベノミクスのマイナス金利が終わったので今後は上昇します。
また売上高３兆円近い巨大企業なのに社債の格付けは軒並み「B」と低いです。ですからキリンを抜いて図体ばかりデカくなった割には財務体質は健全ではない。それで体重200kgを越える巨漢が竹馬に乗って歩いているようなものだと形容したのです。
【財務体質の脆さは同業他社と比較すれば一目瞭然】
ライバルのキリンもアサヒも「増益」です。そもそもサントリーは「飲料・食料部門」しか株式を公開していないので投資家や「世間」に対して情報開示が全く不十分です。
【私はサントリーHDの決算に強い疑念を感じている】
粉飾決算をやろうと思えばやれる会社の構造になっている。青字で書いた様に「酒類」は株式非公開だから詳細な情報開示は有りません。例えば「飲料・食料部門」で発生した経費を非公開の「酒類部門」に付け替えれば簡単に粉飾決算が可能です。
売上は誤魔化しにくいけど「飲料・食料」で発生したCM経費などを酒類に付け替えれば経常利益を実態より良く見せられる。英語で言うとdressing（粉飾）と言うのです。
「桜を見る会問題」が有ったので種類を株式非公開にしていたら何を疑われても文句は言えませんよ。痛くも無い腹を探られたくなかったら「酒類」と「その他」を含めた全体を株式公開し正しい有価証券報告書を投資家と「世間」に情報開示するしかありません。
★私ははっきり言って「出来ない事情」があると見ています。ちなみにハーゲンダッツ・ジャパンの売上は「その他」に含めているそうです。
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