喧嘩に勝って勝負に負けた麻生太郎

戦術で勝ち戦略で負けた麻生太郎
7月20日に「石破おろし」の号砲で始まった自民党の内戦は現在進行形で未だ続いている。
「まさかの高市早苗」が首班指名を乗り越えた今、一見、落ち着きを取り戻したかのようにも見えるが、
それは党内パワーバランスの「不安定な一時的な均衡状態」に過ぎない。
怪しげな党員票に民意は無く決選投票での議員票4票差は「決着」とは言えない

なぜならば現在の「麻生ー茂木ー高市体制」は高市政権が「レームダック状態」に陥った時はいつでも「非主流派=石破政権時代の主流派」によって簡単にひっくり返す事が可能な「休戦状態」であり「完全な決着」が付いているとは到底言えないからだ。
高市政権の解散権を縛った公明党の連立離脱通告
今、「キングメーカー復活」と持て囃されている麻生太郎にしても、9月7日に「石破総理の退陣表明」を引き出し、10月4日の最終局面で支持を決断した高市早苗が決選投票で新
総裁に選ばれたが、そのたった6日後の10月10日に連立与党の公明党から26年間続いた「連立と選挙協力の解消」を通告された。
公明党の選挙協力解消で次回の衆院解散総選挙で、自民党衆院議員の「ボーダーラインにいる連中(選挙に弱い議員)」の少なく見積もっても最低50名~60名は落選するというのが
政界でも主要メディアでも共通した予想になっている。
麻生派と旧安倍派裏金議員のアキレス腱を突いた公明党戦略
「ボーダーラインにいる連中(選挙に弱い議員)」とは安倍再登板の2012年12月の衆院選で大量当選した「魔の五回生」と安倍晋三の生前最後の2021年の衆院選で当選した「魔の二回生」で、当選以来、真面目に選挙区のどぶ板を踏むという地道な政治活動を怠っている未熟で足腰の弱い議員達だ。
そして選挙の時は「政権幹部のウグイス老人」の安倍晋三、麻生太郎、河野太郎「ウグイスオヤジ」の小泉進次郎の応援演説で聴衆を集め楽して当選を繰り返してきた「政治家としての基本的な資質に欠ける議員達」だ。
奇しくも、この「魔の五回生+二回生」は麻生派所属議員が多く、また今回の総裁選では、彼ら彼女らの多くが「高市支持」に回った。
「石破総理では選挙は戦えない」という理由で石破総理を退陣表明に追い込み、表紙だけ変えようとして選んだのが「政治思想も人格も著しく偏っている」高市早苗だった。
自民党の「不良債権議員」である「魔の五回生+二回生」の衆院選当選の必要十分条件を検証すると
①必要条件;「政権幹部のウグイス老人」+「ウグイスオヤジ」の応援演説
②十分条件;公明党の公式推薦と創価学会票による支援
だがいくら「見た目が良い総理」に表紙を変えても②の公明党の支援無くしては彼らは確実に落選する。
公明党の連立離脱の目的は「高市政権潰し」と「麻生追放」にある
連立離脱後の公明党の斉藤代表の発言に「今回の真意」を垣間見た気がする。
「26年続いた自民党との連立を”一旦白紙に戻し”・・・」と表現した。
この「一旦」という表現がポイントで「今後の自民党さんの権力構造が今と180度変わり、我々の提示する条件を吞みそちらから望むのなら連立に戻ってもよい」という含みを持たせた連立離脱会見だったと思う。
要するに連立復帰の条件は
①早く「高市おろし」を始め成功させること
②「高市おろし」完了後は自民党党紀委員会による「麻生太郎除名」
が絶対条件だと思う。
公明党と創価学会にとって、今回の自民党総裁選での最大の注目点は
①まさかの高市早苗の新総裁就任
②麻生太郎がキングメーカーに復帰するという悪夢
の2点でこれだけは何としてでも避けたかった「悪夢の条件」がダブルコンボで現実化してしまった為、
現場の選挙を戦う創価婦人部と青年局と党幹部が同時にパニックに陥ったのだろう。
麻生さんのせいで俺たちの次の選挙が危なくなった(怒)
画像は10月14日の両院議員総会で公明党の連立離脱について「私の不徳の致すところ」と一応形式的に謝罪した高市早苗
総会では高市に対する議員からの批判はほぼ出なかったという。議員たちは公明党の連立離脱ショックが大きすぎて言葉もなかったのだと思われる。
麻生太郎からは2年前の一連の「公明党侮辱発言」に対する反省の弁すら無かった。

「麻生太郎ー茂木敏充ー旧安倍派裏金議員ー高市早苗一派」のラインに扇動されて「石破おろし」にリスクを取って汗を流した「魔の五回生+二回生」は「裏切られた」という気持ちで内心の懊悩は激しいだろう。
しかも自分たちが率先して、リコールの署名運動もやり、2度の両院議員総会と1度の両院議員懇談会で小野田紀美や青山繁晴らと同調して
「昭和の荒れる株主総会の総会屋」よろしく、石破総理以下執行部を面罵し罵詈雑言を投げ続けたので国会議員の半数を占める「反高市派」から深刻な恨みを買っている事も自覚しているはずだ。
萩生田光一幹事長代行を直撃し「無力化」した斉藤代表の代表質問

公明党の斉藤代表は野党となって初の衆院本会議代表質問で名指しだけは避けたものの今年の参院選後に
①秘書が起訴され有罪になった議員→萩生田光一、党幹部幹事長代行として復権
②裁判の証言で裏金の還流を主導した議員→下村博文(落選中だが選挙区支部長に再任され公認扱いとなり事実上の復権を果たした)
2名(いずれも旧安倍派幹部)の早急な処分を高市総理に暗に求めた。
国会で事実上、名指しで追及されたことで衆院の解散総選挙について萩生田の党内での言動は「大きな縛り」を受けることになった。








